工事現場などでは周囲に注意を促すため、数多くの点滅する「工事灯」が使われます。そのランプは赤っぽいイメージがありましたが2023年現在、かなりカラフルになっています。一体なぜなのでしょうか。
工事現場でピカピカ点灯する赤い光――いまもっとカラフル
工事現場や事故現場などでは、周囲に注意を促すため、数多くの工事灯や矢印板が使われます。これらランプや板は、ひと昔前までは赤や黄色っぽいイメージがありましたが、最近、緑や青なども使われカラフルになっています。2023年11月9、10日に東京ビッグサイトで行われた「ハイウェイテクノフェア2023」に参加していた企業に話を聞きました。
キャットアイブースで緑と赤に光る矢印板(乗りものニュース編集部撮影)。
工事灯や矢印板を製造している、キャットアイの担当者によると、カラフルになった理由として“視認性”を良くするという狙いがあるとのこと。「赤い照明の場合、クルマのブレーキランプと溶け込むことがあります。それを防ぎ、はっきり分かる色ということで、緑などが最近使用され始めています」と話します。
ほかに、霧などで視界が悪いときも、赤や黄色より、クルマからは青や緑の方が視認しやすいケースもあるとのことです。ちなみに、工事灯や矢印板の照明の色は、特に決まりはないといいます。
また、カラーコーンの上などに設置する工事灯などを扱っているセフテックの担当者によると、別の目的もあるようです。
「光が赤や黄色だと、警戒の色を意味しているので、スピードを緩めすぎて渋滞になってしまうケースがあります。そのため、車幅が狭くなるなどの場所の場合は、緑の照明にして、ドライバーから見て手前から奥にライトが点灯するような仕組みにする場合もあります」
このように工事灯がカラフルになった要因としては、LEDが照明器具として普及したからという背景もあります。LEDの場合、電力を抑えられるうえに、様々な色の表現ができます。光は直接その色に光っているため、電球や照明器具を着色する必要もありません。