カラーリング問題再燃。
一度はバイデン政権で却下されたカラーリング
アメリカの政治系メディアである「ポリティコ」は2024年7月30日、ドナルド・トランプ前大統領が、11月の選挙戦で大統領に再任した場合、現状のエアフォース・ワンのカラーリングを高い確率で変えると報じました。
富士山を背景に飛行する現「エアフォース・ワン」VC-25A(画像:アメリカ空軍)。
この話は、元ホワイトハウス高官に聞いたとのことで、その人物は匿名を条件に「(トランプ氏は)絶対に、100%エアフォースワンの色を赤、白、紺に変える」と明かしたようです。
「エアフォース・ワン」の通称で呼ばれる大統領専用機は、老朽化した現在の使用機体「VC-25A」から、ボーイング747シリーズの最終派生型「747-8」をベースにした「VC-25B」に置き換える予定でした。
この計画はトランプ政権下で始まっており、トランプ氏は最初「アメリカ国旗のカラーが機体色にも施されるべき」として、新型エアフォース・ワンのカラーを従来の白と明るい青を基調としたデザインから、赤・白・青の新カラーリングに変更するという方針を明らかにしました。
ところが、2020年の大統領選挙でトランプ氏はジョー・バイデン氏に敗れ、バイデン政権はこのトランプ案を破棄。従来のデザインをほぼ踏襲するカラーリング案に戻していました。
しかし、新型エアフォース・ワンの納入は、同機の製造元であるボーイングで発生した新型コロナウイルスによる作業の遅れや人手不足の関係で、2024年12月までに最初の1機が引き渡される予定だったはずが、大きくずれ込んでいます。
ボーイングでの作業の遅れにより、新型エアフォース・ワンの納入は1機目が2027年、2機目が2028年頃になると予想されており、大統領選の後にズレ込むことが確実となっています。さらに新型エアフォース・ワンの初飛行に関しても、2026年頃になるということで、これも大統領選の後です。そのため、2025年1月の新大統領就任時は、飛行するエアフォース・ワンが公の場では一切披露されないままの状況です。もしトランプ氏が大統領に再任した場合は、カラーリング変更を要請しやすい状況であるといえます。