筆跡心理学では、文字の癖からその人の心理や性格を読み取ることができます。
そして実は、その逆も可能です。
文字の癖を変えることで、心理や性格は変わっていきます。つまり、筆跡で自己分析をしながら、性格改善もできるのです。
今回は、筆跡改善のポイントを3つ具体的に紹介します。もし当てはまるところがあれば、早速今日から筆跡を変えてみましょう!
■「筆跡を変える意識」が性格にも変化を起こす
まずは、「筆跡を変えることで性格も変えられる」という理由を説明しましょう。
人には、それぞれ行動傾向があります。そして普段の言動の多くは、頭で考えてから実際の行動に移しますよね。「文字を書く」ということも、何かしらの心理や考えが働いてする行動の1つです。
例えば、せっかちな人は急いだ文字を書きますし、マイペースな人は丁寧でゆったりとした文字を書きます。これが筆跡心理学の考え方です。
筆跡改善では、これと逆の発想を用います。思考が行動に表れるならば、行動を変えることで思考も変えられると考えるのです。
ただし、単純に文字を変えただけで性格もすっかり変わるかと問われると、やはり難しいでしょう。大切なのは、文字を書く度に何度も「そうそう、私はこう変わりたいんだ」と意識して、自分自身に刷り込ませていくこと。
筆跡改善による性格の変化は、文字を書くことで自分の意識を変えていく方法なのです。
■【なりたい性格別】筆跡改善のポイント
ここでは早速、目指したい性格別に筆跡改善のポイントを紹介します。筆跡心理学セミナーで筆者が実際によく聞く「直したい性格」から3つをピックアックしました。
◇(1)「コミュニケーション能力」を上げたい
セミナー等で性格の悩みを聞くと、「人付き合いが苦手」という声は多く挙がります。
社会生活をする上で、コミュニケーション能力は大切な要素。仕事でもプライベートでも、できるだけ円滑な人間関係を築きたいと思う人は多いでしょう。
コミュニケーション力アップを目指すには、線と線をきっちりくっつけすぎず、適度に隙間を空けてみてください。そもそも、コミュニケーションが苦手な方の筆跡は、隙間が少ない傾向にあります。
例えば、「口」という文字の1画目と2画目。ここの隙間を意識するとオープンマインドになります。他人に対して興味を抱きやすくなり、思いやりにあふれてくるでしょう。
ただし、下の線はしっかり閉じること。下も隙間を開けてしまうとルーズさが目立ち、逆に人間関係で悪影響が出てしまう可能性もあります。
また、へんとつくりの間は心の広さを表します。ここの隙間を少し開けるよう意識することで、心にゆとりができるでしょう。積極的に情報を得ようという姿勢になり、社交性アップも期待できます。
逆に、へんとつくりの隙間が狭いと頑固になりやすく、場合によっては人間関係のトラブルにつながる可能性も。ぜひ「隙間」を意識してみてくださいね。
◇(2)物事を継続する「意志の強さ」が欲しい
勉強やダイエットなど、「何かを続ける」ということはなかなか大変なもの。最初のうちは頑張っていても、いつの間にか投げ出してしまう……といった経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
意志の強さや最後までやり遂げる粘り強さが欲しい場合は、文字ハネを強く書くよう意識してみましょう。また、最後の縦棒を下に長く書くこともポイントです。
ここで大切なのは、最後の1画まで気を抜かないこと。自分が続けたいことを想像し「諦めない!」という気持ちを再認識するようにしてみてください。
文字を書く度にしっかり意識できている場合は、ぜひ自分を褒めてあげましょう!
◇(3)しっかり意思表示したい
職場など組織の中で、自分の意思をうまく伝えるのは難しいものですよね。主張しすぎると悪目立ちしたり、輪を乱したりしてしまうし、かといってずっと黙っているのもストレスにつながるでしょう。
そもそも意思表示することが苦手な方は、文字が小さい傾向にあります。そのため、まずはいつもより大きめに書くことを意識してみましょう。
ノートの罫線や枠がある場合は、範囲いっぱいにのびのび書いてみます。無意識のうちに自分が作っているガードを取り払うイメージです。
また、縦棒の上部を短く書いている場合は、少し長めを意識してみましょう。縦棒が短い方は協調性に富んでいるのですが、自己主張は苦手な傾向があります。縦棒を上に伸ばすことで上昇志向が高まり、自己アピールがうまくできるようになるはずです。
ただし、あまりに縦棒を長くしすぎると我が強くなりすぎるところも。文字の1/3程度を意識して、適度に伸ばすのがポイントです。
■文字を変えれば性格も変わる!
筆跡改善は、何度も繰り返すことで徐々に意識を変えていく方法です。
例えば受験をする時「めざせ○○大学合格!」と書いて貼るなど、日頃から見えるところに目標を掲示することで意識改革をしますよね。
それと同じように、筆跡改善でも文字を書く度に「変わろう」と意識したり、変化した自分をイメージしたりすることで、徐々に成果が表れてくるものです。そのため、筆跡改善は最低でも半年は必要。1年くらい続けると、かなり意識改革ができるでしょう。
スマホなどデジタルツールが主流となり、なかなか文字を書く機会が減っている時代。あえて紙の手帳を使ったり、日記をつけたりするなど、日々の習慣に取り入れることでより筆跡改善は進むかもしれません。
(関由佳)
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