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一気に40店舗も入れ替え――不動産業者も驚く「GINZA SIX」大量閉店のワケ

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ライフ・美容

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「空き店舗だらけ」で話題になったが……

 銀座駅近くの大型商業施設「GINZA SIX」(中央区銀座)が、開業4周年を前に全館での大型リニューアルを発表しました。

 GINZA SIXは「大丸松坂屋百貨店」や「パルコ」などを傘下に持つJ.フロントリテイリング(同)などが運営する複合商業施設で、百貨店「銀座松坂屋」跡に2017年4月開業しました。

2017年4月20日にグラウンドオープンしたGINZA SIX(画像:若杉優貴)

「Life At Its Best-最高に満たされた暮らし」をコンセプトに、「VALENTINO」「FENDI」「Dior」などのラグジュアリーブランド、大丸松坂屋百貨店によるライフスタイルゾーン「SIXIEME GINZA(シジェーム ギンザ)」、アートに特化した「銀座 蔦屋書店」など約240店舗が出店するほか、稲荷神社がある屋上庭園「GINZA SIX ガーデン」や「観世能楽堂」などといった文化交流施設も設けられています。

 GINZA SIXといえば、2021年1月に「空き店舗だらけ」になったとして多くのメディアをにぎわせたばかりですが、実は「全館リニューアル」に伴うもの。新店舗は1月末から順次オープンしており、4月末までに新たに40店以上が出そろうことになります。

 それでは、新たに出店する店舗とその特徴を見ていきましょう。

リニューアルのカギ、ひとつめは「海外ブランド」

リニューアルのカギ、ひとつめは「海外ブランド」

 今回のリニューアルの大きな特徴は「海外ブランドの充実」です。

 中でも下層階にはGUCCIの時計・宝飾店「GUCCI Watch&Jewely」や、デザイナーのヴァージル・アブロー氏が手掛ける「OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH(オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー)」、香水を中心に販売するGUERLAIN(ゲラン)の「La Boutique Guerlain(ラ・ブティック ゲラン)」(以上、3店ともに4月12日開店予定)など、8店の「海外ブランド旗艦店」が新規出店。そのうち「CLERGERIE(クレジュリー)」(2月3日開店)の旗艦店は日本初出店となります。

 また、コスメではJILL STUARTのコスメ店「JILL STUART Beauty & PARTY」(1月30日開店、旧店リニューアル)やイタリアのフレグランスブランド「ACQUA DI PARMA」の日本初出店となる旗艦店(4月12日開店予定)などが出店。

「JILL STUART Beauty & PARTY.」(画像:JILL STUART、Flora Notis)

 百貨店や駅ビルでおなじみの店舗も多く出店していたこれまでとは打って変わって、GINZA SIXならではの個性が際立つ内容となりました。

ふたつめは「ご当地おうちグルメ」

 そして、リニューアルのもうひとつの特徴が全国各地の持ち帰りグルメの充実です。

 地下2階の食品フロアには、三軒茶屋の有名ベーカリー「Signifiant Signifie(シニフィアン シニフィエ)」の新業態「Signifiant Signifie + plus」、自由が丘のフカヒレ料理とラーメンの名店「自由が丘 蔭山樓(かげやまろう)」の弁当・総菜店(イートイン併設)、広尾のパティスリー「ARNAUD LARHER PARIS(アルノー・ラエール パリ) 」、新宿・大久保のマカロンカフェ「TOKYO MACAPRESSO(トーキョーマカプレッソ)」、名古屋のフルーツ大福店「覚王山フルーツ大福 弁才天」(以上、いずれも4月下旬開店予定)、岐阜の栗菓子店「恵那栗工房 良平堂」(3月3日開店予定)、京都のオーガニックグラノーラ店「ココロキッチン」(2月11日開店予定)など、おうちで楽しめるご当地グルメが多く出店。

 さらに、核テナントのひとつとして、イオンが運営するフランス発のスーパーマーケット「Bio c’ Bon(ビオセボン)」も新たに出店します(4月29日開店予定)。ビオセボンはオーガニック食品や輸入食品など、こだわりの食材を多く扱っていることが特徴で、銀座エリアでは数少ない高級スーパーマーケットとして、地域の生活を支える存在にもなりそうです。

 なお、ビオセボンでは、4月29日からオープニング記念セールを開催。GINZA SIX店限定のハンマーチョコレート(税込み1944円)や、直輸入アイテムを詰め合わせたHAPPY BAG(税込み3300円)などが数量限定で販売されるということです。

「ウィズコロナ」反映のリニューアル、今後も続く?

「ウィズコロナ」反映のリニューアル、今後も続く?

 今回のGINZA SIXのリニューアルを見ていくと、さまざまな面でコロナ禍の影響が垣間見える内容になったといえます。

 例えば、アパレルブランドやコスメブランドでは「BEAMS」や「資生堂」、「シュウ・ウエムラ」など、外国人客からも人気であった日系店舗のいくつかが閉店。それと入れ替わるかたちで新規出店した店舗の多くは、コロナ禍で「旅行のついでに買うことさえ難しくなった」といえる海外ブランドでした。

 また、食品・グルメも同様であり、6階にあったフードホール「銀座大食堂」はわずか4年弱でその歴史に幕を下ろすこととなった一方、輸入食品に強いビオセボンや、都内・全国各地で人気の銘菓など、わざわざ足を運ばないと買えなかったご当地グルメを家で楽しめるような店舗が充実することとなりました。

「銀座大食堂」はわずか4年弱で閉店に。ウィズコロナに合わない業態だったことが閉店の一因だといえる(画像:若杉優貴)

 コロナ禍で少しずつ姿を変えつつある銀座。大型商業施設でも空き店舗が増えてきた店舗がある一方、改装やリニューアルの動きも起きており、2020年夏には「銀座三越」の銀座4丁目交差点側外壁に新たなシンボルとなるイルミネーションオブジェ「銀座シャンデリア」が誕生したほか、この夏にはGINZA SIXのライバルともいうべき複合商業施設「東急プラザ銀座」の全館リニューアルが完了する予定となっています。

 都内のある不動産関係者は「銀座は(コロナ禍で)短・中期的にはちょっと厳しいマーケットだ」としたうえで、「このご時世にGINZA SIXが40店舗も入れ替えるとは思わなかった」と驚きを隠せない様子。

 東急プラザ銀座をはじめとする近隣の大型商業施設もGINZA SIXに対抗するような、そして「ウィズコロナ」に対応したかたちでのリニューアルをおこなうことになるのか――今後の動きに注目が集まります。

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