「伯母」と「叔母」。読み方はまったく同じ「おば」ですが、いざ手紙やメールなどで使い分ける必要が生じたとき、どちらの漢字を使うべきか迷うところ。本記事では伯母と叔母の意味と、どちらを使うかの判断基準をわかりやすく解説。迷わないためにも大人のマナーとして心得ておきましょう。
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この記事はこんな人におすすめ!
◆「伯母」と「叔母」の違いについて知りたい人
◆「伯母」と「叔母」の使い方をマスターしたい人
「叔母」と「伯母」それぞれの意味は?
「伯母」「叔母」とは?
「伯母」と「叔母」は、本人または配偶者から見て、三親等にあたる傍系親族(ぼうけいしんぞく※)です。
日本では古来から、年長者を重んじる風習があり、父母の年長者かどうかで「伯」と「叔」の漢字を使い分けます。
同様に父母の兄は「伯父」、父母の弟は「叔父」という漢字を用います。読み方はどちらも「おじ」。
※傍系親族とは、共通の祖先から分かれた系統のことで、本人の兄弟姉妹・伯父・叔父・伯母・叔母・従兄弟・甥・姪などが該当します。
※直系親族とは、直接的に親子関係でつながっている系統のことで、本人の父母・父母の両親である祖父母・さらに祖父母の両親・子ども・子どもの子(孫)・孫の子(ひ孫)などが該当します。
「伯母」とは?
「伯母」は、自分の両親の姉のことです。前述したように「伯」という漢字には、父母の年上のきょうだい(兄または姉)という意味が込められています。
「叔母」とは?
「叔母」は、自分の両親の妹のことです。「叔」という漢字には、父母の年下のきょうだい(弟または妹)という意味が込められています。
「伯母」と「叔母」どちらを使うべき?判断基準を解説
実両親の姉か妹かによる
自分の父母の姉の場合は「伯母」、妹の場合は「叔母」です。ここが判断基準のポイントとなります。
わかりやすい例を2つほど挙げてみるので、参考にしてみてください。
例1)父が3人兄弟の末っ子で、上が2人とも姉だとすると、2人とも「伯母」
例2)母が3人姉妹の次女だとすると、上の姉は「伯母」、下の妹は「叔母」
父方・母方は関係ない
父方、母方のくくりはありません。父または母の姉であれば「伯母」で、妹であれば「叔母」となります。あくまでも「父母の姉か妹か」で判断します。
未婚・既婚・年齢は関係ない
本人はもちろんのこと、伯母や叔母に当たる人の婚姻状況も関係ありません。未婚でも既婚でも、伯母または叔母と、甥または姪の関係となります。また、年齢も関係ありません。
結婚式などの席次は叔母より伯母が上座になる
結婚式の席次は、本人から見て血縁が濃い人が下座になります。よって、末席の下座から座る順は、両親→兄・姉・弟・妹→祖父母、次いで、叔父・叔母→伯父・伯母→従兄弟などの順に座ります。
ただし、席次を気にし過ぎず、関係性を重要視し、和やかになるような配慮をするようにしてください。
配偶者側の「伯母」と「叔母」の場合
配偶者のおばさんですが、自分の両親の姉と妹と同様、義両親の姉は「伯母」、妹は「叔母」です。ただし、正しく漢字に当てはめると、義両親の姉は「義伯母(ぎはくぼ)」、妹は「義叔母(ぎしゅくぼ)」という言葉を使います。読み方も変わり、かなりよそよそしい感じになりますね。
親しい間柄ならば、あえて義伯母や義叔母を使わず、伯母や叔母を用いても良いかも。
ちなみに、配偶者の両親(義両親)の姉や妹も三親等に含まれる親族です。
これでバッチリ!わかりやすい簡易家系図
まとめ
■「伯母」か「叔母」の判断基準のポイントは、両親の姉なのか、妹なのか
■「伯母」とは、両親の姉のことを指す/義両親の姉は「義伯母(ぎはくぼ)」
■「叔母」とは、両親の妹のことを指す/義両親の妹は「義叔母(ぎしゅくぼ)」
伯母と叔母の違いについて解説しました。読み方が同じであるため、普段は何気なく「おばさん」と呼んでいるかと思いますが、実両親や義両親の姉か妹かによって漢字を使い分ける必要があるこのですね。これで手紙やメールを書くときもバッチリなのではないでしょうか。