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中高年の「ひきこもり」 就労支援の前に必要な“共感”の問題

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もし、自分の子どもがひきこもりとなったら…

もし、自分の子どもがひきこもりとなったら…

 80代の親が、50代のひきこもりの子どもの生活を支える「8050(はちまるごーまる)問題」が社会問題となっています。ひきこもる人の親が高齢化することで、生活が立ち行かなくなってしまうのです。

 内閣府は、自宅に半年以上閉じこもっている「広義のひきこもり」の40〜64歳が、全国で推計61万3000人いるという調査結果を2019年3月に初めて公表しました。もし、子どもがひきこもりとなった場合、親はどのように向き合えばいいのでしょうか。

ひきこもるきっかけは「いじめ」

 実は、筆者も中学時代から2年間、ひきこもりだった経験があります。ひきこもりだったときのことは今でも鮮明に覚えていて、先が見えないつらい生活でした。

 ひきこもるようになったのは、学校でのいじめがきっかけでした。学校に行くことすらつらくなり、布団から出ることができませんでした。そこから一日、また一日とズルズルと行けない日が続いていきます。世間は通常通りの時間が流れているのに、自分だけ置いていかれているという絶望感が襲ってくるのです。

 学校に通っている兄弟はテストや宿題、部活と忙しそうなのに、自分だけ家から出ることすらできない――。勉強も遅れてしまうという焦りが強くなっていくのです。そんな現実から逃れるように、テレビゲームやパソコンにのめり込み、昼夜逆転した生活を送っていました。それは、とてつもない苦しみでした。

 筆者と同じようにひきこもりを経験し、しかもそれが30年以上続き、現在、生活保護を受けながら都内のコミュニティーカフェでシェフを務める佐野靖彦さん(57)は、「8050問題」の解決策についてこう語ります。

「親は、まずは家を子にとっての『安全基地』にすることを覚悟してほしいです。そして、親も進んで自身の失敗談や不安を話してほしいですし、親が死んでも自律的に生活できるよう、生活保護などの制度も選択肢に入れて準備を始めてほしいです。

当事者は自己と向き合い、現状に折り合いをつける必要があります。回復度合に応じて、『今』必要な人と無理なく付き合っていくことが大切だと思います」

 佐野さんは趣味の煮込み料理を作ることが好きで、誰かに食べてもらいたいと思うようになり、外部との接点を持つようになりました。現在もひきこもるときはありますが、その時々に応じて、無理のない距離感で人と接するようにしているそうです。

家族が味方になってほしい

 ひきこもりの当事者や家族をはじめ、生きづらさを抱えている人たちが安心して暮らしていける社会を目指して活動する、一般社団法人「OSD(親が死んだらどうしよう)よりそいネットワーク」(東京都豊島区)の代表理事、馬場佳子さんも、ひきこもる人にとって家族の存在がカギになると訴えます。

「ご家族にはまず、本人の今の状態を心の底から受け入れてほしいです。親御さんからの相談で一番多いのは『本人に働いてほしい』ということですが、その前にはいろいろなハードルがあります。まずは、本人が置かれている状態まで下りてきてほしいです。人と会うこと自体が怖い人も多いため、本人がまずどういう状態か心の底から分かってほしいです。

共感してくれたり、信頼してくれたりする人がいると、本人から少しずつ歩み寄っていけます。『安全なのは自分の周りだけで外の世界は怖い、危険だ』と感じていることも多いので、近くにいる親御さんが安全な存在になることが大きな一歩になります」

 筆者もひきこもりだった頃は、食べる、飲むなどの最低限の生活は送れるものの、一度はじき出された社会は恐怖そのものでしたが、父親が支援団体に助けを求めたことがきっかけで支援者とつながり、ひきこもりから抜け出すことができました。

 まずは家族が本人の味方となり、そして、家庭や本人だけで抱え込まず、サポートしてもらえる人とつながることから始まると思います。

「8050問題」に代表されるような中高年のひきこもりというと、就労支援に目が行きがちですが、その前に、まずは安心できるホームベースである場所があること、そして、自分に共感してくれる人たちの輪を広げていくことが何よりも大切であるのは、元ひきこもりの当事者である筆者自身が最も伝えたいことです。

ノンフィクションライター 菅野久美子

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