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【フィギュアスケート】でよく見る「リンクに投げ込まれる花束」→実は《どこでも買える普通の花束》じゃなかった!

オトナンサー

スポーツ

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リンクに投げ込まれる「花束」には、ある秘密が……?
リンクに投げ込まれる「花束」には、ある秘密が……?

 フィギュアスケートの選手が演技を終えた後、客席からリンクに花束が投げ込まれる――。そんな光景をフィギュアスケートの大会やテレビ中継などで見たことがある人も多いことでしょう。フィギュアスケートの試合ではおなじみにも思える光景ですが、実はこの「花束を投げ込む文化」、日本発祥ということをご存知でしょうか?

花束に施された「さまざまな工夫」

 海外でも、試合後にリンクに物を投げ込む文化がありますが、基本的に投げ込まれるのはぬいぐるみなどの「プレゼント」。花束を投げ入れる文化は、日本で誕生しました。

 花束の投げ入れが始まったのは、1994年に幕張で開催された世界大会から。日本スケート連盟が、東京都文京区にある「宮田花店」に「試合を盛り上げるいいアイデアはないか」と打診したことがきっかけでした。重量の軽い花束は客席から投げてもリンクまで届かない可能性があり、届いたとしてもリンクに花びらが飛び散る恐れがあります。そこで宮田花店は試行錯誤の末、さまざまな工夫を施しました。

 まず、茎の根元には水を含んだスポンジを装着。これが重りとなり、リンクまで真っ直ぐ飛ぶようになっています。さらに、花束全体を厚手のフィルムで覆ってあるため、リンク上に花びらが飛び散る心配もありません。宮田花店のこうした努力もあり、花束は次第に応援グッズの定番となりました。

 ちなみに、日本スケート連盟が「投げ入れ」を公認しているのは宮田花店の花束のみです。当初は花束の人気がなく、会場を売り歩きすることもあったそう。しかし、花束文化が定着した今では、完売することもあるほどの人気となっています。

 年々投げ込まれる数が増えた花束ですが、問題点も少なくありません。例えば、人気選手の滑走後には花束やプレゼントがリンクを埋め尽くすことも。回収に時間がかかることや、演技を控える選手に当たってしまう危険性もあり、2019年には花束を含むプレゼント類の投げ込みが全面禁止となってしまいました。

 加えてコロナ禍の影響もあり、この「投げ込み禁止」は長らく続きます。しかし、2025年1月に名古屋で開催されたアイスショーで解禁。それに伴い、リンクに投げ込まれたプレゼントを回収する「花束スケーター」たちの姿も復活しました。ちなみに、この花束スケーターは小さなスケーターたちにとって憧れの役割で、選手への登竜門とも称されています。

 今年の4月17日に開幕した国別対抗戦でも、花束やプレゼントの投げ込みが許可されています。演技後のリンクがたくさんの花束で彩られる光景が、本格的に戻ってきそうですね。

オトナンサー編集部

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