美容院では、美容師がカット中に誤って客の耳を切ってしまったり、洗髪中に客の服をぬらしてしまったりするなどのトラブルが起きることがあります。実際にネット上では「耳を切られたことがある」「矯正時にヘアアイロンで耳をやけどした」「シャンプーの際に襟をぬらされた」などの声が上がっています。
美容院でこのようなトラブルが発生した場合、美容師はどのように対応するのでしょうか。カット中や洗髪中に客が突然、動き出したことが原因で発生した場合、どうなるのでしょうか。美容師の原木佳祐さんに聞きました。
客の行動が原因でトラブルが発生した場合もケア
Q.美容師がカット中に誤って客の耳や頭皮などにけがを負わせてしまった場合、どのように対応するのでしょうか。突然、頭を動かすなど、客側に原因があった場合はいかがでしょうか。
原木さん「けがの度合いにもよりますが、まずはすぐに施術を中止し、お客さまの手当と適切な処置を最優先に進めます。美容院では、消毒液や傷薬などが入った薬箱を置くように法律で定められているため、消毒や止血などを迅速に行う流れになるはずです。
また、応急処置だけでは難しく、病院に行く必要がある場合はスタッフが付き添うこともあり得ます。突然のことでお客さまがパニックになり、うまく状況を説明できないことも考えられるため、できる限りお客さまの心と体のケアをしながら行動することが求められますね。『カット中に突然、お客さまが動いてしまった』など、けがの原因がお客さま側にあった場合でもしっかりとケアを実施します。
このようなトラブルが起こってしまうことを想定して、多くの美容院は事前に保険に加入しています」
Q.洗髪時やカラーリングなどの際に客の服をぬらしてしまった場合の対応について、教えてください。客側の行動が原因で客の服がぬれてしまった場合はどうなるのでしょうか。
原木さん「乾かせば問題ない程度であればまだ良いのですが、カラー剤などが付着してしまった場合は応急処置程度ではすぐに汚れを落とすことが難しいですね。そのため、すぐに処置ができなければクリーニング代をお出しするか、同じものを弁償するという形になると思います。
シャンプーで洗髪しているときなど、お湯が出ているときに突然、頭を上げたり、体勢を変えたりしてしまうと服がぬれてしまう可能性はあると思います。ただ、お客さま側のミスだからといって、店舗側から何かペナルティーがあるということはまずないと思います。
万一、そのようなトラブルが起きたら、担当者かサロンの責任者に相談していただくと良いですね」
Q.パーマやカラーなどの施術後、合わないと感じたらどうすればよいのでしょうか。
原木さん「『パーマやカラーの施術自体に対するイメージが思っていたものと違っていた』という場合は、すぐにお直しをさせていただくか、お直し自体が難しい状況であれば返金という形を取らせていただきます。
施術の内容ではなく、『パーマやカラーの薬剤によって頭皮がかぶれた』などの健康被害が発生してしまった場合も、店側が皮膚科の通院費などをお支払いするケースが考えられますね。
ただ、通院していただく前に状況確認などを行うため、一度、施術を担当した店舗に確認を取っていただくと後々の対応がスムーズになると思います。
このようなトラブルは本来あってはならないことですが、万一発生してしまった場合は誠意ある対応でサポートするのが、私たち美容師の責任ですね」
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あらかじめトラブルが起こることを想定し、美容院や理容院が保険に加入しているケースは多いのだそうです。万一のことがあった際もしっかり対応してくれる美容院に通えると安心ですね。
オトナンサー編集部