結婚式を挙げる際、新婦はドレス、新郎はタキシードなどを着ますが、自衛官は違います。自衛官には礼装という式典専用のスタイルが設けられているそう。この礼装、ゴージャスすぎて新婦のドレス姿が霞むほどだといいます。
新郎が注目の的になる自衛官との結婚式
みなさんは自衛官の結婚式に参加したことがありますか。私は参加したことがあります。そう、新婦として。
海自オタだった私は、うっかり「中の人」である海上自衛官のやこさんと出会い、めでたく結婚の運びとなったわけですが、結婚式は聞きしに勝るハードな式典でした。
自衛隊では式典を催す場合、本番の前に「立付(たてつけ)」というリハーサルを行うのですが、結婚式はチュートリアル(指導)なしのぶっつけ本番。日頃の訓練で鍛えられている「中の人」やこさんも、このときばかりは手に汗握りながらの挙式となったそうです。
護衛艦大好き女子が海上自衛官と結婚したら…(秀和システム発行「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。」より)。
そしていざ当日、チャペルを出ると……、なんということでしょう。目の前には海上自衛隊のあらゆる制服が揃っているではありませんか。こんな形で制服をコンプリートできて、私は幸せ者です。
ちなみに私は、新郎であるやこさんの姿を写真に収めたくて仕方がなく、自分のドレスを選ぶ際にまずカメラを構えるための機動力を重視して周りに止められました。
なぜ新郎の姿を撮りたかったのか。それは自衛官が挙式する際に着るのは、タキシードやフロックコートなどではなく礼装が多いからです。肩に飾緒(しょくしょ)と呼ばれる金や銀のモールを付け、腰にサーベル(儀礼刀)を差した姿は、まるでおとぎ話の王子様のよう。
新郎が着る一般的なタキシードを超え、もはや新婦のドレスまでもが霞んでしまうほどのまばゆさなのです。
礼装は披露宴でも大人気。やこさんの周りにはカメラが殺到し、私もその列に入って周りに止められました。私も撮りたいのに。
このような、制服にはじまり制服に終わった結婚式。仕上がった写真はみんなの笑顔であふれており、いい思い出を作ることができました。私の笑顔がことごとくオタク丸出しだったのは見なかったことにしましょう。