黒海の入り口にF-35が睨み利かすか?
ギリシャ、F-35戦闘機を最大40機購入へ
アメリカの大手航空機メーカー、ロッキード・マーチンは2024年7月25日、ギリシャ政府が最新鋭ステルス戦闘機F-35Aの調達を確定させたと発表しました。
機数は20機で、そのほかに20機の追加オプションも含まれているとのこと。アメリカ政府の対外有償軍事援助(FMS)を用いてギリシャには引き渡されるそうです。
これにより、黒海へと続くエーゲ海に面した国にF-35戦闘機の運用拠点ができることになります。
F-35A「ライトニングII」戦闘機のイメージ画像。下側のプロペラ機は第二次世界大戦中に用いられたP-38「ライトニング」戦闘機(画像:ロッキード・マーチン)。
また、ギリシャにはF-35とは別に、60台のM2「ブラッドレー」歩兵戦闘車、2機のC-130「ハーキュリーズ」輸送機、10機分のP-3「オライオン」哨戒機用エンジンを譲渡する案も検討されているようです。
これは、全て無償で提供されることになっており、ウクライナ援助に消極的な西側諸国のひとつであるギリシャに、同国が保有するS300やMi-26などのロシア製兵器をウクライナに送ることをうながす狙いがあると、一部メディアでは報じられています。
なお、地中海のキプロス島を巡る領土問題などで対立状態にあるトルコにも、F-16戦闘機シリーズの最新型ブロック70の売却が承認されており、その点でアメリカ政府はバランスをとっている模様です。