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「ジャンボ機」を超える驚愕サイズの旅客機はもう生まれないのでしょうか?→理由は「需要が…」ではない!

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「ジャンボ機」ボーイング747や「世界最大の旅客機」エアバスA380、すでに生産を終了しています。こうした機体を超える超大型旅客機の誕生の可能性はあるのでしょうか。

実はA380、「ちっちゃく作ろう」がコンセプト?

 2021年、総2階建ての客室を持ち、「世界最大の旅客機」と知られているエアバス製旅客機「A380」が、2024年には、かつて日本の航空会社でも「ジャンボ機」として親しまれたボーイング製旅客機「747」が生産を終了しました。それ以来、こうしたモデルに匹敵するような規格外のサイズを持つ旅客機の誕生は、現状は発表されていない状況です。今後、こうした超大型機が実用化される可能性はあるのでしょうか。

Large figure1 gallery3ANAのエアバスA380「フライングホヌ」(乗りものニュース編集部撮影)。

 A380や747といった超大型機の時代に変わって2025年現在のトレンドとなっているのが、機体サイズは従来より抑えられているものの、燃費の良さや低騒音を強みとするモデルです。エアバスでは現在生産されているモデルでもっとも大型のものは「A350-1000」で、対しボーイングは2026年の顧客への受領を目指し、新型機の「777-9」を開発中。両モデルともに全長は70mを超えますが、それでも2階建ての大型機のようなインパクトがあるわけではありません。

 ただ少なくとも旅客便に限定すると、技術的に可能だったとしても、これ以上、飛行機がサイズアップすることは、いまのところ制約が多く現実的といえるでしょう。

 しかし、実は747を超える「超大型機」の先駆けとなったエアバスA380は、総2階建てということを除くと、人数を乗せられる一方で、実はある意味「極力大きくなるのを防ぐ」ように作られた飛行機です。1998年の設計段階でA380は、全幅・全長ともに80m以下、全高24m以下などを目標に設定されていました。2005年に初飛行を迎えた実機の全幅(79.7m)、全長(72.7m)は範囲内。全高は若干超えてしまうものの、ほぼクリア(24.09m)となっています。つまり、ある一定の基準よりもサイズが大きくならないように注意を払って設計されたということになります。

 この範囲内に収められたのは、機体の設計それ自体よりも、旅客機が発着する環境が背景にあったとされています。A380の製作が始まった当時、航空会社で定期便に導入されている飛行機で、全長が最大なのはエアバス340-600(75.3m)、全幅が最大なのはボーイング747-400(64.4m)でした。このことから、それぞれ80m以内であれば、既存の空港に対応できるとエアバスは試算していたといわれています。
 
 ところがエアバスA380が実際に就航してみると、同社の想像以上に空港側がこの機体に対応できないことが判明したとされています。

規格外の「大型機」は今後見込みは薄いものの…

 というのも、それまでの空港設備はボーイング747(当時就航していない-8型機を除く)の機体サイズが最大として作られたものでした。そのため、空港の大型旅客機への受け入れ態勢はいわば「ギリギリ」のなか、それを超える超大型機が運用開始されることになったのです。

Large figure2 gallery4那覇空港に発着していたチャイナエアラインのボーイング747-400。日本の空港も「ジャンボ」に対応していることが多い(2019年8月、乗りものニュース編集部撮影)。

 A380は全長、全幅はメーカーが定めたサイズの範囲内に収まりましたが、たとえば駐機場などは、2階の人もスムーズに乗降できるような搭乗橋など相応のものを準備する必要があります。機体重量もボーイング747-400(約180t)より100t重い約277t。燃料や人が加わればもっと重くなるため、747はOKでも、A380は地面強度などの問題で日常的に離着陸できない滑走路や誘導路もあり、現実に大きな需要があるにもかかわらず、そうした理由からA380を定期便へ投入できない空港もあるとされています。

 A380が民間航空業界にとって、まさに既存の空港の受け入れ能力を超えていたことを示すデータがあります。航空輸送の国際ルールなどを定める国際民間航空機関(ICAO)は、駐機場や誘導路を統制する目的で、機体の大きさをA(小さい)からE(大きい)の5段階に分けたコードを設定していましたが、A380が登場したことで、新たに6つ目の段階「コードF」を作ります。つまり、世界的にもA380は、国際ルールを再度設定しなければならないほどのサイズであり、この基準を満たす設備を持つ空港にしか飛ぶことができないのです。

 一方で冒頭で触れた「777-9」は、A380のように一目瞭然な”超大型機”ではないものの、実用化されれば世界最大の長さを持つ旅客機となる全長77m。翼幅も70m超です。同モデルは、この大きさを持ちながらも既存の空港設備に円滑に対応できるよう、先端が折りたためるユニークな主翼を搭載しています。なお、ボーイングやICAOなどの資料によると、この機の機体サイズはA380と同じICAO基準の「コードF」に分類される見込みです。

 なお、A380についても、一部報道では2025年初頭、最大顧客のエミレーツ航空がエアバスに対し、もしA380の派生型を開発した場合には購入する意思を示しています。将来、747を超えるサイズの機体が誕生する可能性は、まだ残っているといえそうです。

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