年末の風物詩「今年の漢字」(日本漢字能力検定協会)が12月12日、「金」と発表されました。では、企業においては、2024年はどんな年だったのでしょうか。帝国データバンク(東京都港区)が、企業を対象とした「今年1年の事業活動を表す漢字」について調査を実施。その結果をランキング形式で発表しました。
1位は「大統領も首相も…」
調査は2024年12月6日から同月10日に、インターネットリサーチで実施。有効回答企業数は1320社。なお、同様の調査は2023年に続き2回目です。
3位は「忍」。企業からは「価格転嫁できる状況にはなく、耐え忍ぶ我慢の一年であった(飲食料品卸売)」「仕事量の減少、主原料・副原料・梱包資材などあらゆるものが高騰、高止まりしたなかで、事業活動を行い、需要回復を待つ状態であった。耐え忍んだ1年であったことから『忍』を選んだ(鉄鋼・非鉄・鉱業)」といったコメントが寄せられました。
2位には「耐」がランクイン。「耐えるを選んだ理由は人手不足により現状維持が精一杯なため(建設)」「厳しい環境の続く酪農関連業界において、忍耐強く営業を継続する1年であった。残念ながら今後も簡単には改善しないものと感じている(その他の卸売)」「工事先で、冬の寒さや夏の暑さなどに耐えてなんとかここまで来ることができた(機械製造)」などの声が集まったといい、3位の「忍」と同様に、物価高や人手不足などの困難な状況に“耐え忍ぶ”企業が多かったことがうかがえます。
そして、1位となったのは「変」。2023年の調査時に続き、2年連続の1位となりました。企業からは「アメリカ大統領や日本の首相が変わり、世の中の仕組みも変化が激しい(化学品製造)」「変わらなければ埋没してしまう(医薬品・日用雑貨品小売)」「変化が求められている。時代に合った新商品(サービス)の提供、組織構成、人事管理が必要。労働環境などを見ると、競合相手は同業者でなく他業界などであると感じる。今、当社は変わり始めている(教育サービス)」といった声が聞かれたということです。
調査結果を受けて、同社は「国内外のさまざまな変化に直面する中で、企業自身も前向きに変化した1年と捉えた」「2024年は、政権交代などを含め国内外で起こる変化や、物価高および人手不足などに耐え忍ぶ企業が引き続き多かった一方で、企業自らも変わり新たな挑戦に取り組むなど、変化を前向きに捉えて対応する姿が見られた。来る2025年も、困難な状況に対して企業自身が柔軟に適応することで前進していく姿を期待したい」とコメントを寄せています。
オトナンサー編集部