まだまだ元気に走る185系です。
定期運行引退後も臨時運転で活躍
特急「踊り子」で活躍した185系電車(画像:写真AC)。
伊豆方面の特急「踊り子」などで一世を風靡した国鉄特急型電車「185系」。2021年3月に特急「踊り子」「湘南ライナー」での運用から外され、惜しまれつつ定期列車から引退しました。しかしいまも臨時列車として、高崎・上越線はじめ、各地で時折姿を見せ、ファンを沸かせています。
そのなかでもレアな「川越線を走る185系」が実現したのが、2023年10月14日・15日に運転された臨時特急「蔵の街川越号」です。近年でも2018年に「川越まつり号」「おさんぽ川越号」などで運転されたくらいで、貴重な体験です。
そんな「蔵の街川越号」に実際に乗車したのが、交通系Youtuberの「がみ」さん。動画「まさかの直通!川越線の臨時特急が面白すぎた。」で、その道中をレポートしています。
「蔵の街川越号」は川越と海浜幕張をむすびます。一見して何がどうつながるのか分からない2駅ですが、大宮駅から貨物短絡線に入り、地下トンネルで武蔵野線の武蔵浦和へワープし、南船橋から京葉線を東へ合流して海浜幕張駅に到着します。
185系に乗車するたびに「もうさすがにこれがラストチャンスか…」と思っていたがみさん。今回の臨時列車で意外な再会を果たし「幸せでしかない」と感無量だったようです。
17時15分に川越駅を発車した185系「蔵の街川越号」は、懐かしい「ひたちチャイム」と呼ばれる車内チャイムや、うなるモーター音、ガタンゴトンと軽快な揺れと振動音とともに、住宅地と田園風景が混在する川越線の車窓とのハーモニーを奏でます。
1時間38分の旅路のうち、途中の停車駅はなんと新松戸・西船橋の2駅のみ。川越から新松戸まで、1時間12分ドアが開かない「飛ばしっぷり」となります。
とはいえ、実際は列車の行き違いなどで、途中駅に「運転停車」するシーンもあります。単線の川越線でも指扇や日進で停車し、さらに大宮でもしばし停車していました。なお、大宮駅の川越線ホームは地下にありますが、武蔵野線方面へ直通する「蔵の街川越号」は東北本線のホームへ進入するため、大宮駅手前で普段は走行しない「短絡線」を進む風景も見られます。
武蔵野線に入った185系は、高規格の高架線上を快走。往年のモーター「MT54」のうなり声を堪能できます。終点の海浜幕張駅に到着した頃は、あたりはすっかり夜闇となっていました。
動画コメントでは「オールドファンには堪らないですね!」「武蔵野線のトンネルに響き渡るMT54の咆哮…嬉し懐かし最高すぎる」などの声が。中には、川越~新松戸の51.2km無停車について「意地でもマニアから51km以上の(1段階高い)特急料金を取りたいと感じさせる」という"うがった推理"をする人もいるようです。