ラーメンや鍋料理など、温かい食べ物を食べるときに鼻水が出てしまう人は多いと思います。ネット上でも、「ラーメンを食べるとすぐに鼻水が出る」「熱いものを食べると、どうして鼻水が出るの？」という内容の声が上がっており、飲食時に出る鼻水に苦労している人も多いようです。
そもそも、どうして温かい料理を食べると鼻水が出てくるのでしょうか。飲食時に鼻水をできるだけ抑えるには、どうしたらよいのでしょうか。耳鼻科医の瀬尾達さんに教えていただきました。
体温維持のために鼻水が出る
Q.ラーメンや鍋料理など、温かい料理を食べるときに鼻水が出ることがありますが、なぜなのでしょうか。
瀬尾さん「これは、温かい食べ物から出る湯気が鼻の中に入ってきたときに、熱さの刺激に対して鼻水を出して冷まそうとする、反射的な反応です。
体は体温を一定に保とうとする働きがあり、外が熱いときや熱があるときに汗をたくさんかくのも同じ原理と言えます。温かい食べ物を食べた場合も、鼻の中で熱い湯気が入ってきて『熱い！』と体が感じたときに、体温維持を行うために鼻水を出しているという仕組みです。
また、食べ物の中にコショウやトウガラシなどの刺激物が含まれている場合も、鼻水が出る要因の一つと言えます。辛いものを食べると、舌と胃の粘膜が辛みを感知して、自律神経が活性化します。自律神経の交感神経は汗を出す指令を出し、副交感神経は唾液や消化液、鼻水を分泌する指令を出すことで、鼻水が出るようになります」
Q.では、温かい食べ物を食べているときにできるだけ鼻水を抑える方法はあるのでしょうか。
瀬尾さん「体温との温度差や、熱による刺激をなるべく少なくすることが重要ですね。食べ物が熱いまま一度に口に入れてしまうと、湯気も直接吸い込んでしまう上に、食べ物との温度差が大きいまま口の中に入ることになります。
そのため、熱いものは食べる前によく冷ました上で少量ずつ口に入れるようにし、そして湯気を直接吸い込まないように気を付けていただくと良いのではないでしょうか」
Q.ちなみに、鼻が詰まっているときに温かいものを食べて鼻の通りを良くすることはできますか。
瀬尾さん「鼻が詰まっているときに温かいものを食べるのは有効だと思います。ただし、お子さんに食べさせる場合はあまり熱いものだと危ないため、少し冷ましてから食べさせてあげてくださいね。
また、ネギ、タマネギ、みそ汁など炎症を抑える効果のある食べ物と一緒に取っていただくと、より効果的ですね」
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温かい食べものを食べているときに鼻水が出るのは、いわば体の防衛反応という意味があったんですね。「飲食店で鼻をかむのが何だか恥ずかしい」「鼻水が出ないようにしたい」と思っている人は、ぜひ「少しずつ食べる」「よく冷ます」ことを心掛けましょう。
オトナンサー編集部
