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ここで冷静になって「中国車の現在地」を見てみましょう

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「F1参戦」も目指すBYDの躍進

 F1への参戦を目指すBYDをはじめ、中国の自動車メーカーが世界でシェアを大きく伸ばしています。なかでも、EVやPHEVなどの新エネルギー車市場で、圧倒的な存在感を放っている自動車メーカーがBYDです。クリーンエネルギー関連の話題などを扱う米国メディアのCleanTechnicaによると、BYDは2025年のEV・PHEV市場において世界で約420万台を販売し、EV大手のテスラに2倍以上の差をつけて、世界ナンバー1の地位を固めつつあります。

Large figure1 gallery1BYDが2026年夏に発売を予定する軽EV「ラッコ」(乗りものニュース編集部撮影)

 そのBYDは今、中国国内から海外へと販売地域を拡大しています。2026年4月には、世界最大の自動車レースであるF1世界選手権への参戦を検討しているとも報道されました。これはBYDの世界への野望を象徴するトピックでしょう。

 また日本には2023年に進出しており、すでにコンパクトカー「ドルフィン」やコンパクトSUV「アット3」、ミドルセダン「シール」など、複数のモデルを投入。2026年夏には日本独自の軽自動車規格にあわせた新型モデル「ラッコ」の投入も予定しています。

 加えて、2026年5月には日本で2回目となるオーナーズ・ミーティングを開催するなど、ファンの育成にも注力。長期的なビジョンをもって日本市場に臨んでいる様子がうかがえます。

 BYDの勢いは、アセアン市場でも顕著です。例えば、2026年3月下旬にタイで開催された「バンコク国際モーターショー」では、BYDが販売予約数でナンバー1になりました。タイのモーターショーは新車のお披露目だけでなく、その場で売買も行われるイベントです。そこでトヨタを押しのけてBYDが1位になったことは、現地でも大きな驚きをもって受け止められました。

 さらに衝撃的なのは、予約数の上位10ブランドのうち、2位のトヨタと10位のホンダ以外の8ブランドを中国ブランドが占めたことです。BYDだけでなく、多くの中国メーカーが海外進出に力を入れ、そして着実に支持を伸ばしていることがわかります。

日本のメーカーも連携強化へ!

 こうした中国メーカーの海外進出は、新たな段階に入っています。その一例といえるのが、日産が2026年6月上旬に発表した、英国サンダーランド工場で中国のチェリー(奇瑞汽車)車の委託生産を検討するというニュースです。

Large figure2 gallery2日産の英国サンダーランド工場(画像:日産)

 これまでの中国メーカーは、本国で生産したクルマを輸出するのが主でしたが、海外での現地生産という動きまで出てきたのです。かつての日本メーカーがそうであったように、中国メーカーも海外進出をより高度化させようとしているのでしょう。

 また、日系ブランドも中国の現地企業との結びつきを強めています。それが、中国で生産している現地モデルを中国以外(アセアンや欧州)で販売する動きです。すでにホンダ「インサイト」やマツダ「EZ60」、日産「N7」などは中国以外の市場でも販売がスタート。特にインサイトは3000台の限定販売ながら、日本市場にも投入されています。

 日本のメーカーは、もともと北米やアセアンなどで生産したクルマを他の市場で販売してきた歴史があります。その生産国のひとつとして中国が成長した形ですが、特筆すべきはこれまでの「ただ作る」だけの業態ではなく、EVをはじめとした車両の開発も中国の現地企業に任せている点です。

 こうした動きを踏まえて考えると、中国の自動車業界は、日本や欧米の技術を模倣する段階を過ぎたと見ていいのではないでしょうか。

 かつての中国車は“パクリカー”と呼ばれた時期もありましたが、今では日系メーカーなどと共同で新型モデルを開発できるまでに成長しています。特にEVについては、中国メーカーの独自モデルが、地域によって日本や欧米のEVを駆逐するほどの勢いを見せているのです。

 それは、かつての家電市場の歴史を見るかのようです。かつて中国の製品は家電の世界でも“パクリ”と言われていましたが、今ではアップル製品の主要生産国となり、また中国ブランドの家電は日欧米の製品を駆逐するほど大きな存在となっています。

 同じように、EVに関してはすでに中国が世界一の生産工場になりつつあります。この躍進が今後も続くのか、それとも止まるのか、このさき数年が重要な局面となるはずです。中国自動車メーカーの動きからは、まだまだ目が離せません。

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