冬場だからこその作戦?
ウ軍への防空装備支援を呼び掛ける
北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は2023年11月28日、数か月以内にロシア軍がウクライナに対し、冬場に欠かせないエネルギーインフラに打撃を与えるため、大規模なミサイル攻撃を行う可能性があると警告しました。
旧式兵器であったが巡航ミサイル迎撃などで再評価されているドイツ製のゲパルト自走対空砲(画像:在ウクライナ ドイツ大使館)。
この警告は、ウクライナのドミトロ・クレーバ外務大臣やアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官などを招き、ベルギーのブリュッセルで行われたウクライナ支援に関する外相会合で発せられたものです。
現在、2022年2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻も2度目の冬に入り、戦線はこう着気味となっていますが、この間にロシアはミサイルの備蓄を図っています。
備蓄したミサイルは、発電所や送電網、ガスパイプラインなどのウクライナのエネルギーインフラ破壊に集中運用されるとみられています。ミサイル攻撃で暖房設備に打撃を与えることができれば、人々を凍えさせ、生命の危機に陥れるだけではなく、極寒の中で電気もない状態という心理的ダメージも与えられることができます。昨年にロシアは10月以降に意図的なインフラ攻撃を開始し、ウクライナの各都市で停電が起きたり、電力不足による計画停電をする事態となりました。
重大な危機を前に、ストルテンベルグ事務総長は「ロシアを過小評価してはならない」と強調し、ウクライナへの防空物資の提供を強く求めました。