大阪では馴染みのある「モータープール」という言葉。しかし東京ではあまり使われないかもしれませんが、東京のタイムズ駐車場にも発見。同社に名称の由来を聞きました。
日本では誤用が広まった?
大阪でよく目にする「モータープール」。しかし東京では大阪ほど馴染みがなく、意味を知らない人もいるかもしれません。モータープールとは「駐車場」のことですが、東京ではあまり使われないからです。
東京・池袋で発見した駐車場「タイムズ池袋モータープール」(2023年11月、大藤碩哉撮影)。
大阪ではモータープールの名称が確かに多いようで、市内の業界関係者に聞くと、由来は不明であるものの「うちの区内だけでも『〇〇モータープール』を名乗る駐車場は8割以上」だとか。「『プール』には本来、何かが『集まる』という意味があるので、『クルマが集まる場所』という認識です」と話します。
『カタカナ・外来語/略語辞典』(自由国民社)を見ると、モータープールは「軍隊や官庁の集中配車場。日本では誤って駐車場にも使われる」とあります。前出の関係者も「自衛隊では現在でも配車場のことを『モータープール』と呼んでいるため、もしかしたら軍用語もしくは和製英語が発祥なのかもしれません」と話しました。
名付け理由、オーナーへ聞いた
東京でも少ないながら、モータープールを称する駐車場はあります。そのひとつ「タイムズ池袋モータープール」について、駐車場を運営するパーク24によると、ここにタイムズ駐車場を開設したのは2018年12月21日とのこと。名称については、それ以前から使われていた「池袋モータープール」を継承したといいます。
バスターミナルを「バスプール」と呼ぶことも。仙台駅前では交差点名にもなっている(乗りものニュース編集部撮影)。
そこで当時を知るオーナーへ、なぜモータープールと名付けたのかを尋ねると、「特に思い入れはありません。関東でも、珍しいものでもないのではないでしょうか」との回答でした。
ちなみに東北地方、仙台駅東口前には「バスプール前」という交差点があります。名称の通り付近にはバス発着場がありますが、バス駐車場、転じて「バスターミナル」の意味で使われていると考えられます。これもまた、「クルマが集まる場所」という意味での「プール」でしょう。