海から発見されたのはロシアのもの?
ウクライナ政府の公式サイト「UNITED24」は2026年10月19日、黒海でトルコ人男性がミサイルの一部を拾う様子を撮影した動画を公開しました。
「パンツィリS1」短距離防空システム(画像:ウクライナ国防省)
動画に映っている男性は、トルコのシノップの住民とのことです。発見されたミサイルの一部は、ロシア軍の短距離防空システム「パンツィリS1」に搭載される地対空ミサイルのブースター部分とみられています。同システムは、対空機関砲と短距離対空ミサイルを併用しており、固定翼機やヘリコプターのほか、巡航ミサイルなどの迎撃を想定しています。
なお、弾頭などの部分はすでに切り離されており、爆発の危険はない状態だったようです。
ロシアとウクライナの戦闘が激化するなか、こうしたミサイル部品などの漂着物は増加しているようです。黒海の海流に乗って、バルトゥン、アヤンジュク、サムスンなど、トルコの黒海沿岸の都市に漂着するほか、場合によってはイスタンブールまで流れ着くこともあるようです。
漂着物はミサイルや艦艇の残骸などが中心ですが、ウクライナ海軍の自爆型無人艇が、爆発物を搭載した状態で漂着した事例もあります。そのため、トルコ当局は地元住民に対し、不審物を発見した場合は通報するよう呼びかけています。状況によっては、トルコ沿岸警備隊や爆発物処理部隊が出動し、爆破処理や無力化を実施することもあります。
トルコ政府は、漂着する兵器や残骸を現実的な安全保障上の脅威として捉え、監視・回収・無力化を進める一方、ロシアとウクライナ双方の戦闘が黒海の航行安全に及ぼす影響を抑えるよう求めています。また、黒海と地中海を結ぶ航路の要衝であるボスポラス海峡を多くの船舶が通航することから、民間船舶の安全を脅かす攻撃についても強い懸念を示しています。
