春先に増えるというクルマの飛び石被害、なぜそういわれるのでしょうか。高速走行時ほど被害が大きく、場合によってはフロントガラスを交換せざるを得なくなる飛び石の被害、予防策はあるのでしょうか。
春先に多い飛び石、なぜ? 路面やタイヤの状況が関係
クルマのフロントガラスへの飛び石被害が、春先には特に多く発生するようです。
アメリカのガラス補修材メーカー、ノーバスの日本代理店であるノーバスジャパン(札幌市中央区)は、補修依頼が最も多いのは春先の3月だといいます。「車検シーズンでもあるため、いままで放っておいた飛び石傷を車検のときに直す人が多いから、ということもありますが、特に寒冷地では、路面やタイヤの状態からしても飛び石が発生しやすくなります」とのこと。
割れたフロントガラスのイメージ(画像:sima/123RF)。
同社によると、寒冷地の道路では冬に滑り止めのための砂や砕石がまかれますが、この時期には雪が解け、乾いた路面に砂や砕石が多く残っており、それらがタイヤの溝に挟まれ、何かのきっかけで飛んでくるケースが多いのだそうです。
「この時期は冬タイヤの使用末期にあたります。冬タイヤは夏タイヤと比べてやわらかく、溝に小石を挟みやすいのです」(ノーバスジャパン)
夏タイヤから冬タイヤへ履き替える秋も同様で、路面は乾いた状態なので、飛び石が増える傾向だといいます。
飛び石 どこから飛んでくる? 対策はあるのか?
ノーバスジャパンによると、飛び石は車速が高いほど勢いが強くなり、高速道路ではガラスにひびが入りやすいとのこと。また、フロントガラスが垂直に近いクルマほど「直撃」を受けやすく、破損率が高いとも話します。
また、JAF(日本自動車連盟)は飛び石について、「前方に大型トラックなどがいる場合は注意が必要」としています。ノーバスジャパンも、やはり大型車のタイヤは小石を挟みやすいといい、飛び石を避ける対策としては、大型車のすぐ後ろにつかずに、なるべく車間を空けて走ることくらいだそうです。
ちなみに、飛び石によるフロントガラスの欠けやひび割れ修理は、透明な樹脂を注入して行うのが一般的で、カー用品店などで補修キットも販売しています。ノーバスジャパンによると、傷を放置しておくと雨水などが入り込んで広がり、車検に通らなくなるケースもあるとのこと。「ひび割れが500円玉より大きくなると補修は難しく、ガラスの交換になります」とのことです。
