ぜんぶ“くぐる”ってのもスゴイ。
「豊中岸部線」最終区間が動きだした
大阪府が2024年3月に事業認可を取得した都市計画道路「豊中岸部線」の岸部北工区(849m)について、吹田市内で住民説明会などを行い事業を進めています。ごく一部しかできてなかった豊中岸部線の全貌が見えてきています。
JR京都線の岸辺駅。奥の跨道橋のさらに奥に、豊中岸部線のアンダーパスがある(乗りものニュース編集部撮影)。
豊中岸部線は、阪急京都線の正雀駅南側から北西へ、JR京都線、名神高速、阪急千里線を越え新御堂筋(地下鉄御堂筋線)へと弓なりに結ぶ吹田市内およそ5kmの路線です。現在は細切れに開通しており全体像がつかみづらいですが、大阪中央環状線(近畿道)の南側にもう一つ、4車線の東西軸道路を通す計画となっています。
それぞれ鉄道や高速道路に阻まれた区間で事業が進行しており、名神高速をくぐるトンネルを含む岸部北工区は、その最後の事業化区間です。10年後の2034年までが事業期間とされています。
現在は主にJR岸辺駅をくぐるアンダーパス前後と、名神高速西側の区間が開通済みです。
JR線に並行する阪急京都線の交差部「岸部南工区」も、アンダーパスとして整備され、同じく阪急京都線との交差部を建設中の放射道路、十三高槻線と接続します。この付近は“横軸”の豊中岸部線と“縦軸”の十三高槻線、両方の整備事業が同時並行で進んでいます。
阪急千里線 南千里駅の南にも未開通部があります。ここは、広域な土地区画整理事業と一体で道路が整備され、豊中岸部線はやはり、阪急千里線をトンネルでくぐります。今年5月に閉店したイオン南千里店(旧ジャスコ)の付近に接続し、新御堂筋へ通じます。
なお、もともとは路線名の通り新御堂筋の西側、豊中市までを結ぶ計画でしたが、新御堂筋より西側は都市計画が見直され、すでに廃止となっています。
豊中岸部線は、主要な放射道路の大阪高槻京都線などで発生している慢性的な渋滞の緩和や、JR岸辺駅北側の吹田操車場跡地に開発された北大阪健康医療都市へのアクセス向上などの整備効果がうたわれています。
※一部修正しました(7.15)