PAが少ないことで知られる圏央道ですが、新PAの整備めどが立ってきました。すでに一部「魔の空白区間」は解消。ただ数年後に顕在化するかもしれない区間も存在します。
圏央道のトイレ問題、解決へ?
全線開通すれば約300kmの路線となる圏央道では、未開通区間の建設、暫定2車線区間の4車線化とともに、新PAの整備も進められています。かねてPAが少なく、トイレの利用などが難しかった東北道以東の「魔の空白区間」解消に一定のメドが立ちました。
圏央道外回りで建設中の坂東PA付近。内回りのPAはこの右側に4月開通した(乗りものニュース編集部撮影)。
圏央道の東北道以東は、千葉県内の未開通部を含め176.2kmありますが、PAは江戸崎PA(茨城県稲敷市)と高滝湖PA(千葉県市原市)の2つしかありませんでした。
菖蒲PA(埼玉県久喜市)から東は江戸崎PAまで約77kmも休憩施設がない状況でしたが、2024年4月23日、この途中に坂東PA(茨城県坂東市)が“内回り(神奈川方面)のみ”オープン。これにより片側のみですが、空白区間は40kmほどに縮まりました。
坂東PAの外回りについては、「2026年度までの開通を目指す」とされる4車線化と合わせて建設が進められています。PAの部分はすでに舗装工事を行っている状況です。
千葉県内ではさらに2つのPAが計画されています。
そのひとつ、神崎PA(千葉県神崎町)は、江戸崎PAから13.2km東側にできます。こちらは2024年9月4日の関係者による連絡調整会議にて、「2026年度まで」の供用を目指すとされました。
ただ、同時期には千葉県内で建設中の大栄JCT-松尾横芝IC間18.5kmも開通予定です。そうなると、神崎PAから高滝湖PAまで約76kmもの空白区間が生じます。
この空白を埋める「山武PA」(仮称、千葉県山武市)の新設事業も進んでいます。これができれば空白区間は40km強に縮まる見込み。ただし、現在は用地取得に向けた境界確認や物件調査の段階で、完成には時間がかかりそうです。