相手は怪獣じゃなくてドローン?
レーザー兵器実用化に大きな前進
イギリス国防省は2024年7月22日、陸軍の軍用車両から高出力レーザーエネルギー兵器の発射に成功したと発表しました。
試験のためにレーザー兵器を搭載したウルフハウンド装甲車(画像:イギリス国防省)。
今回行われた射撃テストではウルフハウンド装甲車を使用し、車載された高エネルギーレーザーで1km以上先にある標的の無力化に成功したとのことです。
使用されたレーザーは軽量かつ高出力で、イギリスでは初めて陸上車両に搭載されたレーザー兵器になります。持ち運びも可能で操作も簡単、さらに複数の目標を追跡することが可能です。
この試験により、指向性エネルギー兵器(LDEW)実証機プログラムの大きな進歩を示し、戦場での運用上の利点が増大したとのことです。試験は次の段階に入り、2024年の下半期中には、陸軍で実戦を想定した試験が行われ、システムの能力と利点がさらに評価される予定とのことです。
なお、同レーザーに関しては詳細な性能は明かされていませんが、同国のレーザー兵器に関しては先にイギリス海軍が、2024年1月に試作型LDEW兵器である「ドラゴンファイア」を用いて初めて空を飛ぶドローンの撃墜に成功したと発表しています。
「ドラゴンファイア」は、今まで高価な空対空ミサイルで撃墜していたドローンや巡航ミサイルを、低コストで撃墜することが期待されています。しかし、「ドラゴンファイア」の場合、敵ドローンやミサイルを撃墜する際には、高出力のレーザーを約10秒間同じ場所に照射し続けなければいけないという状態で、現状では1km離れたところから硬貨を撃つくらいの精度が必要だといわれています。