都内私立学校と国立大学付属学校の対応は?
2月27日(木)夕方、全国に流れた「政府が公立小中高校の一斉休校を要請」というニュースは非常にインパクトがありました。
自治体ごとに対応が異なっているものの、全国の公立学校では春休みを前倒しでおおむね3月2日(月)から休みに入り、本年度はあっけなく終わってしまいました。
その一方で、都内私立学校や国立大学付属学校は新型コロナウイルスに対してどのような対応をとっているのでしょうか。
多くは休校を決断
結論から言うと、都内の私立中学・高校の多くも公立学校と同様に3月2日から休校措置を取っています。
都内公立学校についてはあまりに突然の決定だったこともあり、2日は登校日とするなど対応しました。
しかし都内の私立学校では、大半の生徒がバスや電車などの公共交通機関を通学に使っていることもあり、政府要請を飲んだ形となりました。
「男子御三家」の対応は
一般企業は時差通勤を推奨できますが、学校で始業時間を学年やクラスごとに変えてしまうと、逆に混乱を生じてしまいます。
こうした現実を踏まえ、休校を決めたことは致し方ない決断と言えるでしょう。
「男子御三家」の開成中学校・高校(荒川区西日暮里)と武蔵中学校・高校(練馬区豊玉上)は休校前の2月29日(土)に臨時のホームルームを実施。
麻布中学校・高校(港区元麻布)は3月2日から4月6日(月)までを休校とし、校内外での生徒の諸活動を禁止しています。
「女子御三家」の対応は
桜蔭中学校・高校(文京区本郷)、女子学院中学校・高校(千代田区一番町)、雙葉中学校・高校(同区六番町)の「女子御三家」も同様に3月2日から休校とする対応をとっています。
これら有名私立学校は期末テストが中止になった学校も多く、公立学校と同じように政府発表から間もなく本年度を終え、長い春休みに突入したのです。
「渋渋」は他とは異なる対応
その一方、休校措置を取っているものの期末テストは実施する学校もあります。
渋谷教育学園渋谷中学校・高校(渋谷区渋谷)は3月2日から19日(日)の期間を休校としています。
しかし週明け9日(月)からの期末テストの実施を決定しています。
ただし、登校時間を中学校が午後、高校が午前登校にするなど時差登校を行い、一度に大勢の生徒が登校しないよう対策を講じています。。
また、3月19日には臨時ホームルームが行われ、その場で期末テストと個別成績票が返却され、次年度の教科書が配布される予定です。
感染拡大によっては日程の変更も予想されますが、渋谷教育学園渋谷中学校・高校は他の私立学校とは異なり、緊急事態ではあるものの期末試験や2020年度に向けた動きを粛々と行っています。
国立大学付属中学校の対応は
都内にある国立大学付属中学校や高校も、春休みを前倒しでおおむね3月2日(月)から休校の決断をしています。
筑波大学付属駒場中学校・高校(世田谷区池尻)では期末テストの中止を決定しました。
修了式や終業式を行わない私立学校が多い中、東京学芸大学付属学校の中学校(4校)のうち、国際中等教育学校(練馬区東大泉)を除いた3校の中学校で、在校生の修了式や終業式を行うため、休校措置期間中に登校する日を設けています。
ホームルーム活動に限定するなど、大人数を集めない配慮がなされていますが、ウイルスの感染拡大の動向次第では中止になる可能性もあります。
筑波大学付属駒場中学校・高校では修了式や終業式はないものの、登校日を設けるなど完全なる休校措置は取っていません。
都内の公立学校も登校日を急きょ決定し、学校に残っている荷物や通知表を渡すことで、突然の休校への対処を行っていると考えられます。
私立学校の多くが現地点で登校日を設定していないことと対照的と言えます。
しかし、そう簡単に決断できない私立学校側の苦悩の表れも見て取ることができます。
4月からの学校生活はどうなるのか
都内の私立学校は生徒の住居が広範囲に及ぶこともあり、国公立の学校よりもある意味厳しい休校措置を取った学校が多いと考えられます。
しかし1か月以上に及ぶ休み中に、事態が終息へ向かうかどうかは予断を許さない状況です。
今はただ、学生たちが無事に始業式や入学式の日を迎えられることを願わずにはいられません。