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「着る毛布」で寝ると睡眠にどう影響? 風邪をひかない? 専門家に聞いてみた

オトナンサー

ライフ・美容

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フリースなどの熱がこもりやすい服は、睡眠には不向き
フリースなどの熱がこもりやすい服は、睡眠には不向き

 毛布のように暖かくて肌触りの良い素材を部屋着に仕立てた、いわゆる「着る毛布」を使っている人も多いのではないでしょうか。暖かくて非常に便利ですが、中には着る毛布を着たまま寝てしまう人もいるようです。着る毛布を着たまま寝ると、どうなってしまうのか。汗をかいて、風邪をひく恐れはないのでしょうか。睡眠に関する支援サービスを提供する、アスリートスリープコーチの矢野達人(やの・たつと)さんに聞きました。

睡眠の質を下げる可能性

Q.そもそも、就寝時はどのような服装が最適なのでしょうか。パジャマの上にフリースやカーディガンなどを着て寝る人もいるようですが、問題はないのでしょうか。

矢野さん「『睡眠中はコップ1杯分の汗をかく』といった話をよく聞くと思います。実際に、睡眠中は汗が水蒸気として体から放出されています。

睡眠中に汗をかくのは、深部体温(脳や内臓の温度)を下げて体を十分に休ませるためです。フリースなど、熱を逃がさない素材の服を着て眠ると、体温が下がらないので、理論上は逆効果ということになります。

また、睡眠の質を上げるには、『寝返りの打ちやすさ』も大切です。寝返りは、筋肉が固まったり、血流が滞ったりすることを防ぐ役割があります。

理想的なのは、綿や絹のパジャマを着ることです。吸収した汗を放湿する機能があるほか、締め付け感がなくゆったりとしているので、寝返りを妨げません。一方、ポリエステルなどの化学繊維を使った服は、熱を逃がさない機能が高いので防寒には適していますが、睡眠には不向きといえます。

なお、パジャマは、できるだけ毎日洗濯して清潔に保ってください」

Q.では、「着る毛布」を着たまま寝た場合、睡眠の質にどのような影響があるのでしょうか。

矢野さん「毛布は、ポリエステルなどの化学繊維が多く使われているので、熱がこもりやすいです。そのため、着る毛布を着たまま眠ると、深部体温がスムーズに下がらず、体を休ませることができない可能性があります。その場合、睡眠時間を十分に確保しても、深い睡眠が取れず、『朝スッキリ起きられない』『日中眠たくなる』などの弊害が生じると考えられます。

また、着る毛布は温かいものの、比較的ごわごわしていて寝返りが打ちにくいものが多いので、睡眠の質が低下するだけでなく、腰痛や肩こりを引き起こす可能性も考えられます。パジャマに着替えてから寝ることをお勧めします」

Q.室内が寒く、どうしても着る毛布を着て寝たい場合、掛け布団を使った方がよいのでしょうか。それとも、掛け布団がなくても暖かければ、そのまま寝ても問題ないのでしょうか。

矢野さん「どうしても着る毛布を着たまま眠りたい場合、掛布団を使わない方が良いでしょう。動きにくくなり、寝返りを打てなくなってしまいます。ただ、就寝時は、エアコンなどで寝室の温度、湿度を調整した上で、パジャマに着替えた方がよいでしょう」

Q.「こたつに入ったまま寝ると風邪をひく」とよくいわれますが、着る毛布を着たまま寝た場合も、同様に風邪をひく可能性があるのでしょうか。

矢野さん「そもそも、『こたつで寝ると風邪をひく』という話自体が根拠のない話であり、風邪をひく直接的な要因ではありません。繰り返しますが、深部体温を下げることが深い睡眠を取るポイントなので、ずっと暖かいこたつで眠ると、深い睡眠が取りにくくなることは想像できると思います。

その結果、『睡眠の質が低下する=免疫力が低下する=風邪をひきやすい』というメカニズムが完成します。着る毛布を着たまま眠ることで、『体温が下がらない』『寝返りが打ちにくい』などの要因で睡眠の質の低下につながるとすれば、『着る毛布=風邪をひきやすい』といえるかと思います」

 矢野さんが言うように、着る毛布を着たまま眠るのは、避けるようにした方が良さそうですね。

オトナンサー編集部

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