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東京から420km離れた海底火山「明神礁」が大爆発? 海保・海自は急行も、あきれた顛末に

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自称・船員からかかってきた1本の電話

 過去の新聞記事に目を通すと、いたずら電話が引き起こした事件はたくさん見つかります。そんななかでも特に壮大だったのが、ありもしない火山の噴火を通報したいたずら電話でした。

 事件が起こったのは1994(平成6)年2月16日です。この日の23時38分、伊豆諸島の青ヶ島役場に電話が入ります。「焼津の第一大和丸に乗っている太地雪雄」と名乗ったのは、声の感じからして30歳くらいの男性。電話の内容は次のようなものでした。

「明神礁付近で21時ごろ海底爆発を目撃した。噴煙が500mから600m上がり、爆発音を聞いた。様子をしばらく見ていた」

 明神礁とは東京の南方420kmに位置する海底火山です。

明神礁の火山活動。1952年9月23日撮影(画像:海上保安庁)

 明神礁がその存在を確認されたのは、1952(昭和27)年9月17日です。静岡県焼津港の漁船・第十一明神丸は伊豆諸島・青ヶ島の南方約47kmで海底火山の噴火を目撃します。翌日、現場付近の海域で海上保安庁の巡視船・しきねを確認。明神礁という名前が付けられました。

消えた測量船

消えた測量船

 噴火の報告を受けた海上保安庁は、東北大学理学部教授でサンゴ礁研究の第一人者である田山利三郎測量課長を始め、中宮俊海象課長のほか海上保安庁水路部からえり抜いた調査団を編成。海上保安庁の測量船・第五海洋丸で現場の観測に向かわせます。

 出発にあたって一行は、

「明神礁に一番乗りして溶岩、硫黄、軽石を採取してお土産にする」
「意外な発見があるかもしれぬ」

と、新発見に期待を寄せていました。ところが現場海域に到達したはずの第五海洋丸は、こつぜんと消息を絶ってしまったのです。

 捜索の結果、周辺から船体の断片などが見つかり、第五海洋丸が噴火に巻き込まれて遭難したことは確実となりました。

江東区青海にある海洋情報資料館(画像:(C)Google)

 この遭難は海底火山の噴火に調査船が巻き込まれた、ほかに例のない事故として、以降の調査の教訓となりました。現在も海洋情報資料館(江東区青海)には、この遭難を追悼する五海洋会館が設けられています。

新聞各紙が夕刊で報道

 それゆえ、海底火山が噴火した際には周辺を航行する船が巻き込まれないように、事態を把握しなければなりません。

 青ヶ島役場は、八丈島にある八丈支庁総務課にすぐ通報を行いました。支庁の職員は双眼鏡で早速海の様子を見ましたが、噴煙は確認できません。といっても、そのまま放置するわけにはいきません。都庁の災害対策部に報告が届くと、海上保安庁や消防庁、気象庁に

「未確認ではあるが噴火の報告があった」

と通報が行われました。

 通報は午前中で、新聞の夕刊の締め切り時間前だったこともあり、当日の新聞各紙の夕刊で明神礁の噴火が大きく取り上げられました。

「伊豆諸島の明神礁、噴煙500m 24年ぶり海底爆発?」(『毎日新聞』)
「伊豆諸島南方の明神礁が噴火か 海保確認急ぐ」(『読売新聞』)
「八丈島南方の明神礁周辺で海底爆発か 漁船が目撃」(『朝日新聞』)

 それと同時に、海上保安庁から輸送機「YS-11」が、海上自衛隊から哨戒機「P-3C」が現場に急行します。

哨戒機「P-3C」(画像:写真AC)

 新聞やテレビ局各社も大急ぎで飛行機をチャーターし、前代未聞の空中取材合戦が始まりました。

噴煙は確認できず

噴煙は確認できず

 ところがこの日の夜、横浜の第三管区海上保安本部が調査結果を発表すると、事態は一変します。

 現場に急行したYS-11は、13時40分から30分間にわたって調査を行ったものの、噴煙はまったく確認できなかったのです。ほかの飛行機も同様でした。

 海上保安庁は通報のあった船から話を聞こうと連絡を取りましたが「焼津の第一大和丸」という船の存在は確認できず、静岡県内の漁協のどこにも該当する通報を行った者はいませんでした。

明神礁(画像:海上保安庁)

 この発表を受けて翌日の各紙朝刊のトーンは、一変しました。

「爆発の確認できず--「明神礁」再調査」(『毎日新聞』)
「「明神礁爆発を目撃」はイタズラ? 海底噴火の形跡なし/海上保安庁」(『読売新聞』)
「明神礁の活動、確認ができず」(『朝日新聞』)

 元来、海底火山爆発の報告は「雲と見間違えた」など誤報も多く、噴火がないことも確認しなくてはなりません。そのため万が一に備えて、海上保安庁は翌2月17日に改めて調査を続行。結局、同日の調査でも噴火は確認できず、通報は悪質ないたずらと結論づけられました。

複合要因が生んだ結果

 19日の『産経新聞』朝刊では、このいたずら電話が大騒ぎになってしまった経緯を報じています。これによれば、いたずら電話の主があまりにもずる賢かったため、電話を受けた青ヶ島役場が通報を信じたとしています。

「島民は210人しかいないので全員の声が分かる。電話の声をまず聞いて島の人ではないと判断した。上ずった調子の声やタイチの字の説明をするときも『和歌山県太地町の』とスラスラ答えるのでまさかいたずらとは思わなかった。こういう情報提供は初めてでこちらも無防備だったと反省している」(当時の職員の談話)

明神礁の海底地形図(画像:海上保安庁)

 これに加えて、遠隔地で確認が取りづらかったことも要因となりました。

 海上保安庁も飛行機がまだ現場に向かって飛んでいる最中の午後12時10分にニュースリリースを配信してしまい、新聞各紙も夕刊締め切り間際のため、大急ぎで第1報を差し込んでしまったのです。

 かつての第五海洋丸の遭難は広く知られており一刻も早く危険を知らせなくてはいけないという気持ちの連鎖が、1本のいたずら電話から大騒動につながったのでした。

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