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風邪で喉が痛い…内科と耳鼻科、どっちに行くべきか 初動ミスが重症化のリスクに 「判断の目安」とは

オトナンサー

美容・健康

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喉を痛めたときは内科と耳鼻科のどちらを受診するのが望ましい?
喉を痛めたときは内科と耳鼻科のどちらを受診するのが望ましい?

 気温が低い冬は風邪をひきやすくなるため、日頃から体調管理に注意する必要があります。風邪で喉を痛めたときは内科と耳鼻咽喉科(以下、耳鼻科)のどちらを受診するのが望ましいのでしょうか。わしお耳鼻咽喉科(兵庫県西宮市)の鷲尾有司(わしお・ゆうし)院長に聞きました。

「どちらから」受診するかを判断

Q.風邪で喉を痛めた場合、内科と耳鼻科のどちらを受診するのが望ましいのでしょうか。判断の目安や理由も含めて、教えてください。

鷲尾さん「風邪は病名ではなくて、正式には『風邪症候群』といわれています。これは、鼻の症状や喉の症状などの総称です。大まかにいうと、鼻から喉までの上気道を中心に症状があるのが風邪症候群ということになります。耳鼻科は耳や鼻、喉(咽喉頭)を専門にしている診療科のため、上気道が専門ということになります。

一方、内科は専門が細かく分かれています。その先生の専門分野によって異なりますが、感染症内科、呼吸器内科といわれる診療科が風邪症候群を得意にしています。そのため、得意分野を確認してから受診するのをお勧めしています。『どちらを』受診というよりも『どちらから』受診するかですね」

Q.では、喉の痛みのほかに鼻水がひどい場合は、耳鼻科を受診するのが望ましいのでしょうか。

鷲尾さん「上気道の専門家である耳鼻科は風邪の専門であり、より風邪を細かく診る診療科です。症状がひどかったり、長引いたりする場合は耳鼻科の専門性が発揮される状況といえるでしょう。内科を受診しても、症状が良くならない場合は耳鼻科の受診をお勧めします。

もちろん、病院の場所や通院にかかる時間といった利便性のほか、担当の先生との相性もあるとは思いますので、それらの点も考慮して内科を受診するのか、耳鼻科を受診するのか判断するとよいのではないでしょうか」

Q.風邪の際に内科、耳鼻科を受診するメリット、デメリットについて、それぞれ教えてください。

鷲尾さん「基本的に内科を受診するメリットと耳鼻科を受診するデメリット、内科を受診するデメリットと耳鼻科を受診するメリットはそれぞれ重なる部分があるため、耳鼻科医の目線で話します。

風邪の診察の場合、『原因』『部位』『程度』という3つのポイントがあります。原因とはインフルエンザや新型コロナウイルス、マイコプラズマ、溶連菌といったウイルスや細菌など、起因となる病原体やアレルギーなどの感染症以外の原因も含めてのことです。

部位とは鼻炎や副鼻腔(ふくびくう)炎、咽頭炎、喉頭炎、気管支炎、肺炎など、症状が出ている臓器のことで、程度とは『症状がひどい』『経過が長い』『繰り返している』などを指しています。医師はこの3つのポイントを診て、特別な検査や治療が必要かどうかを判断することになります。

耳鼻科を受診するメリットは先述の通り、上気道を専門としているため、他科では診察しにくい場所を診察することができます。鼻の中を詳しく診てもらえますし、鼻の周囲、鼻の奥の副鼻腔や上咽頭の状況なども診断できます。また喉の奥も診ることができるため、喉頭や下咽頭の診察も可能です。

つまり、鼻や喉の全体を診ることができるため、風邪症状の部位と程度の診断に優れているのが耳鼻科といえます。

ただ、耳鼻科にある設備では上気道以外の気管や気管支、肺などの状態を診ることができないことが多いため、これらの部位を詳しく検査するのが難しいです。内科ではレントゲンや血液検査などの検査を行い、耳鼻科では診ることができない部位と程度の診断をします。また、病院の数も耳鼻科の方が少ないため、受診のハードルが高いかもしれません。

もちろん、内科や耳鼻科も、医師によって専門分野が細かく分かれているため、例えば、呼吸器や感染症が専門の内科医の場合、他の分野が専門の内科医より、鼻や喉をより詳しく診ることが可能ですし、アレルギーが専門の耳鼻科医の場合、一般的な耳鼻科医よりも肺や気管支を詳しく診ることができるでしょう。

住んでいる地域や受診するクリニックの専門性を理解し、内科と耳鼻科のどちらが良いというよりは、『どちらから』受診するかを判断することが最善策です」

Q.ちなみに、発熱があり、喉の痛みがあまりない場合に耳鼻科を受診したり、喉の痛みがひどい場合に内科を受診したりするなど、症状と受診する診療科が合っていない場合、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。

鷲尾さん「緊急性が高い症状は『息が苦しい』『食事が通らない』などであり、喉の下(喉仏の辺り=喉頭・下咽頭)に起こります。喉の下は耳鼻科以外では診察することが困難であり、急性喉頭蓋炎(こうとうがいえん)や扁桃(へんとう)周囲膿瘍などの緊急性が高い疾患であれば、耳鼻科でなければ対応が難しいと考えます。

内科医は『患者が耳鼻科を受診した方が良いのか?』を、耳鼻科医は『患者が内科を受診した方が良いのか?』をそれぞれ考えながら診察をしています。『たかが風邪、されど風邪』であり、風邪という言葉は『診断がついていない』という意味です。そのため、医師は経過によってさまざまなケースを想定します。

風邪のことを誤解なく理解することが最も重要です。繰り返しますが、その上で内科と耳鼻科の『どちらから』受診するかを判断しましょう」

オトナンサー編集部

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