さまざまな番組で活躍している、お笑いコンビ・メイプル超合金のカズレーザーさん。現在、その人気が急上昇しています。
2020年春の新入社員を対象とした「理想の上司」アンケート調査(明治安田生命調べ)では、男性上司の総合ランキングで、ウッチャンナンチャンの内村光良さんに次ぐ第2位にランクイン。圏外だった前年からジャンプアップしました。
カズレーザーさんは、バラエティーやクイズ番組で多数のレギュラーを抱え、さらに、昨年10月に情報番組のキャスターに就任。鋭い発言で幅広い年齢層から支持されています。そこで、彼の高いコメント力と人気の理由を探っていきます。
若者の意見を伝える代弁者
カズレーザーさんは2019年10月から、情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)にキャスターとしてレギュラー出演し、“忖度(そんたく)しないストレートな発言”で人気を博しています。
例えば、4月7日放送の同番組では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて外出自粛について特集。若者を対象とした外出自粛に関するインタビュー調査では、「気にしていない」「やりすぎ」「死ぬときは死ぬ」などの回答が取り上げられました。
また、10~70代を対象に行われた「陽性と診断された場合、聞き取りで2週間の行動を全て話すか」というアンケート調査で、「いいえ」と回答した人の意見として若者のコメントが紹介されました。
この結果にコメントを求められたカズレーザーさんは「アンケートは10~70代が対象ですよね」「巣鴨のとげぬき地蔵にはたくさんのお年寄りがいました。どの世代も集まってしまう人はいるので、若者だけ抽出してもあまり意味がない」と見解を述べたのです。
新型コロナ感染拡大は「若者の外出が原因」と印象づけるような番組制作に、違和感を覚えたのかもしれません。
この発言にネット上では、「20代の私は救われた、若者だけが原因じゃないと言ってくれた」「モヤモヤがはれた」「カズレーザーは物事の本質を見抜くから好き」と絶賛の声が相次ぎました。
視聴者層の中心である高齢者ウケする発言に決してとどまらず、若者の意見も代弁できるキャスターと言えます。
カズレーザーさんは自身のコメントについて、「自分が思っている意見と対論があることじゃないと扱わないようにしています。どちら側の意見にも納得できないと扱いたくないんです(中略)自分が賛成している意見がある一方で、向こう側の意見もすごく納得するし、その中庸(ちゅうよう)も取れるものじゃないと成立しない気がする」(「フジテレビュー!!」2019年10月19日)と明かしていますが、そのポリシーを貫いたのでしょう。
政治コメンテーターとして活躍の兆し
さらに、情報キャスターだけでなく、政治コメンテーターとしての顔も見せています。
2月2日放送の特番「日曜THEリアル! ・池上彰SP」(フジテレビ系)に出演したときのことです。池上彰さんがMCを務める政治討論番組で、コメンテーターとして参戦しました。
番組では、慰安婦問題や徴用工問題など、韓国の“うその歴史”を指摘したという李栄薫氏の著書「反日種族主義 日韓危機の根源」について感想を求められました。
カズレーザーさんは「今の韓国の若者が持っている危機感とか意識、何か経済発展しづらい、閉鎖的、その原因を考えました」と前置きした上で、「日本っていう敵がいるから、問題、原因があるんだと思いがちなところをそれだけじゃカバーしきれなくなっている。反日に逃げるのはおかしいと提言された本」とコメント。
韓国の若い人たちへ向けて、反日意識を改めてほしいとメッセージを送りました。
自衛隊好きとして有名なカズレーザーさんは、メイプル超合金として昨年10月、護衛艦「いずも」の一日艦長を務めています。政治への関心も高いのでしょう。
最近では、東野幸治さん、くりぃむしちゅー・上田晋也さんらお笑いタレントが、政治問題を扱う番組でMCを務めるケースが増えています。カズレーザーさんも第二の東野さん、上田さんになる可能性を秘めているのかもしれません。
経営難の動物園を動かす“コンサル的”な役割も
3月13日には、社会学者の古市憲寿さんと2人で日本の社会問題を抱える現場に潜入する深夜番組「突撃! フルレーザー~ニッポンの問題考えてみた~」(フジテレビ系)が放送されました。
1990年代に海外から日本へ輸入された動物たちが寿命を迎える「動物の高齢化」に悩む宇都宮動物園を訪ね、集客アップを考えました。
その中で、カズレーザーさんは園内に併設されている遊園地について、「レトロ感をもっととがらせた方がいい」と指摘し、「汚す塗装をするだけで(来場者が)写真をいっぱい撮る。ジェットコースターのガタガタという音が怖いので、日本一うるさくするともっと怖く感じる」と提案しました。
動物園の園長は「考えたことがなかったです。面白いですね」と感心しきりの様子で、元々、名前がなかったその遊園地は「レトロランド~ハラハラドキドキ遊園地~」という愛称に決まりました。
ここではまるで、企業コンサルタントのような新たな一面を見せています。
このような斬新なアイデアに加え、教養の高さから若者が伝えてほしいツボを押さえた上で、反対意見もバランスよく論じられるところが、彼の評判の良さにつながっています。どのようなコメントをするのか、期待している人は多いでしょう。
以前、カズレーザーさんはある番組で、「人間はどうせ幸せになる。バッドエンドにする理由を見つけて、自分が不幸だと思おうとしているだけ」と発言していました。新型コロナにより閉塞(へいそく)感が漂う中、日本が今、必要としている考え方なのかもしれません。
ライター・メディア評論家 奥村シンゴ
