例年、12月半ばを過ぎると「今年もまた大掃除ができないまま新年を迎えるかも…」と焦る人もいるのではないでしょうか。しかし、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんは「普段の掃除にちょっとプラスすれば、本格的な大掃除をする時間がなくても大丈夫です」と話します。そこで、忙しい人でもまだ間に合う“ちょい足し”大掃除術を教えていただきました。今回は「キッチンのシンク周り」です。
頑固な水あかは「クエン酸水」で対処
キッチンのシンク周りには、水道水のミネラル分などが白く固まった水あかやせっけんカス、食材などから出る油汚れ、食材のカスがたまりやすいです。普段からシンク内の掃除を小まめに行っていないと、汚れをエサにカビが繁殖します。
特に、毎日のように使うシンクの排水口のゴミ受けに、食材のカスをためてそのまま放置していると、雑菌が繁殖してヌメリの原因になります。深型のゴミ受けを使っている場合は、浅型に比べてカビが生えやすくなる傾向がありますが、深型・浅型問わず、小まめに食材のカスを捨ててきれいにしておくことが大切です。
また、普段は、ゴミ受けの下にある「排水トラップ」の掃除まで手が回らないケースも多いのではないでしょうか。排水トラップは、悪臭や害虫を防ぐために水が残る仕組みになっていますが、ここもお手入れを怠ると、ゴミ受けと同じようにヌメリや雑菌の温床になりがちです。
そんなシンク周りの大掃除について、「本格的な掃除をするためには、まとまった時間が取れないと難しいのでは…?」と思っている人もいるのではないでしょうか。そこで、普段のコンロ周りの掃除に“ちょい足し”するポイントをお伝えします。
毎日使うシンク周りの大掃除は、「“つけ置き”をしながら」行うのがおすすめです。
【排水口】
ヌメリのあるゴミ受けや排水トラップ部分は、塩素系漂白剤を振りかけて5~10分ほど放置してから水で流します。トラップのふたなど、細かい部分はブラシを使って汚れを落とします。トラップ内の水がたまっている部分も、ブラシやスポンジを使ってきれいにしましょう。
【蛇口】
蛇口についた白い水あかは、しっかり落としてピカピカにしたいところです。頑固になってしまった水あかは、水にクエン酸を混ぜて作る「クエン酸水」をキッチンペーパーに浸してパックするように密着させ、そのまましばらく置いて汚れをゆるませてから、スポンジなどで磨きましょう。汚れが落ちない場合は、パックと磨きを繰り返します。
蛇口の付け根部分は、頑固で落ちにくい水あかになっている場合も多いので、念入りに作業しましょう。シンク内に水あかがある場合も、蛇口と同様に対処します。
【食器用水切りかご】
水切りかごも、毎日使っているうちに水あかやカビが発生しているケースが多いです。水あかにはクエン酸水などの酸性洗剤、カビには塩素系カビ取り剤と使い分け、それぞれつけ置き洗いをしてスッキリさせましょう。ただし、酸性洗剤と塩素系洗剤は、混ぜて使うと有毒ガスが発生する恐れがあるので、同時に使わないよう注意してください。作業時は換気に気を付けつつ、ゴム手袋を着用しましょう。
食器洗い乾燥機も、取扱説明書を確認しながら庫内の掃除をするとよいでしょう。なお、できれば毎日、シンクを使い終わったら、最後に「ドライ仕上げ」としてシンク内の水分を拭き取っておくと、きれいなシンクの状態を長く保つことができますよ。
オトナンサー編集部