いわゆる「8の字構想」と呼ばれるものですが…。
構想は生きている
多摩都市モノレール(画像:写真AC)。
東京都都市整備局が、2023年12月に6日間開催された多摩都市モノレール延伸に関する説明会の様子をYouTubeへ公開。このうち質疑応答では、現行の終点である上北台駅(東京都東大和市)からの延伸について、市民から質問がありました。
多摩都市モノレール延伸をめぐっては、町田市が周辺地域の再開発と一体となった計画素案を公表するなど、とりわけ南側で延伸(多摩センター~町田)の機運が高まっています。一方、北側でも上北台~箱根ケ崎間の延伸計画があるほか、説明会ではその先、秋川(東京都あきる野市)方面への延伸についても言及されました。
秋川方面への延伸は、いわゆる「8の字構想」と呼ばれる環状のモノレール構想の一部であり、南北方向の公共交通機関の不足を補う路線として1981(昭和56)年に公表されたものです。都市整備局によると、この構想は2024年現在もあるといいます。
しかし、現行は上北台~箱根ケ崎間が国の交通政策審議会の答申に位置づけられたまでであり、秋川方面は答申に位置づけられて初めて、事業化を検討する段階になると説明しました。そのうえで、以下のように話します。
「移動時間の短縮などの効果が見込まれる一方で、収支採算性や費用対効果、公共事業あるいは鉄道事業として成立するための諸要件について、まだ検討すべき様々な課題があると認識しています。こうした課題を解決するためには、まず地元の市、町において需要の創出につながる沿線地域のまちづくりなどの検討を進めていただくことが非常に大事だと考えています」(都市整備局)
なお、町田駅延伸によって箱根ケ崎方面の計画が後回しにされてしまうことを危惧する質問も登場。これについて都市整備局は、「両路線の現在の状況を鑑みると、町田方面の計画が箱根ケ崎方面の延伸計画を逆転することは無いものと考え、事業に取り組んでいます」と回答しています。