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空母甲板の障害物「艦橋」どこに置くのが一番よい? 試行錯誤の結論が「右舷」のワケ

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戦前からこのかた、世界的に見ても空母甲板上の艦橋は右舷にあり、例外は旧日本海軍の「赤城」と「飛龍」くらいですが、これはなぜでしょうか。そこにはもちろん、空母黎明期からの試行錯誤と、その末に見出した理由があります。

そういえばみんな右舷側にあるのはなぜ?

 岸壁から見る空母はとても大きく見えます。事実上の空母化への改修費が2020年度予算の概算要求に計上されたヘリコプター搭載護衛艦「いずも」も全長248mと、海上自衛隊護衛艦のなかでは2019年現在、最大です。

 しかしそうした巨大な艦艇も、上空から見ると大海原に浮かぶ点にしか見えません。広大な飛行甲板もパイロット視点ではとても狭く、揺れ動いていて、離着艦には大変なプレッシャーが掛かります。

Large 191010 bridge 01一段全通式甲板改修後の「赤城」(写真上)と「加賀」。下向き煙突は両艦とも右舷、「赤城」の艦橋は左舷中央、「加賀」の艦橋は右舷前方に(画像:アメリカ海軍)。

 そしてその狭い飛行甲板には、艦橋という厄介な障害物があります。艦橋は艦の運航や艦載機の運用にも不可欠な構造物ですが、パイロットにしてみれば障害物以外何物でもありません。この艦橋は右舷とするのが一般的ですが、これには理由があります。

 旧日本海軍の空母「赤城」が誕生した空母黎明期には、その設計もまだまだ試行錯誤段階で、艦橋の位置は煙突などとのバランスで決められました。また、最初の空母「鳳翔」の経験で、煙突からの排煙熱は複雑な乱気流を起こし着艦に大きな影響をおよぼすことも分かっていました。「赤城」と、同じく空母「加賀」の設計段階では、霞ヶ浦の航空研究所にて模型を使った風洞実験まで行われ、排煙熱の方法を研究し日本空母独特の下向き煙突方式が採用されます。

 艦船は、接岸するときは左舷(ポートサイド)からすることが多いのですが、この大きな下向き煙突で排煙熱を岸壁に吹き付けるわけにはいきません。そこで煙突はポートサイドを避け右舷に設置されます。この煙突が艦橋配置に影響しています。

 艦載機の発艦の邪魔にならないよう、艦橋はなるべく後方が良いとされていたのですが、中央にある煙突と干渉するため、「赤城」では艦橋を左舷に設置しました。そして「加賀」では煙突を避けて、艦橋が前方右舷に設けられました。このころはまだ、艦橋は前後左右どの位置がよいのか決めかねていたのです。

一方アメリカは少し「上」を行っていた、高さ的な意味で

 一方アメリカ空母の艦橋と煙突は、たとえば「レキシントン」に見られるように、大きく直立し右舷側に縦に並べられています。「赤城」は排煙熱を舷外下方に流そうとしているのに対して、「レキシントン」は艦載機の着艦高度よりも高い位置に排出しようという発想でした。日本とは違った発想ですが、後に日本海軍でもこの形状が空母「隼鷹」「飛鷹」で採用され、現代でも多く使われている形式となります。

Large 191010 bridge 02アメリカ海軍の空母「レキシントン」日本空母とは対照的巨大な直立煙突が目立つ(画像:アメリカ海軍)。

 ところで、準同型艦だった「赤城」と「加賀」の左右別舷艦橋は、意外な利点もあったようです。

 航空機にとって空母はとても小さいもので、上空から識別できず、着艦すべき母艦を間違えるということがまま起こりました。たとえば1942(昭和17)年5月7日の珊瑚海海戦では日没直後に、九九式艦爆隊が間違って敵空母「ヨークタウン」と「レキシントン」に着艦しようとする珍事まで起こるくらいなのです。ちなみにこのとき、アメリカ空母側も着艦許可を出していたという、不注意が過ぎる謎の事件です。そのため、同型艦のある空母は識別用に飛行甲板へ、「赤城」なら「ア」、「加賀」なら「カ」と大書きしましたが、艦橋位置が左右で違っていれば、上空からでも準同型艦であろうがすぐに識別が可能です。

 また両艦は戦隊を編成することが多かったのですが、発行信号や手旗で連絡し合う際にも、「赤城」が右、「加賀」が左に並べばやりやすかったとの話もあります。もっとも海上では、接近するといっても数百メートルは離れており、左右舷の位置の違いの影響がどれほどであったのか、同じように左右別舷艦橋だった「飛龍」と「蒼龍」では同じような話は残っていませんので、真偽は定かではありません。

飛行機がなぜか左側に行きたがる、そのワケ

 太平洋戦争当時の艦載機は基本、機体正面中央にレシプロエンジンをひとつ搭載した単発機で、プロペラは(コックピットから見て)右回転します。よって単発機は左方向へのトルクが掛かるため、左ロールの方がやり易いのです。記者(月刊PANZER編集部)は趣味でラジコン機を飛ばしていますが、圧倒的に左ロールの方が制御しやすいのが感覚で分かります。ベテランに教えてもらいながら「練度を上げるため」右ロール、複雑な8文字旋回の練習項目があるくらいなのです。

Large 191010 bridge 03零式艦上戦闘機(零戦)のコクピット。右利きであれば、操縦桿は左に倒す方が操作しやすい(画像:アメリカ空軍博物館)。

 プロペラ機ではなくジェット機なら、このトルクの問題は無いように思いますが、パイロットは操縦桿を右手で扱う右利きが多く、いざというときには内側に引きやすいため、やはり左ロールの方がやりやすいようです。

 このように、飛行機は左側に行きたがる傾向があるのです。パイロット視点ではとても狭い飛行甲板に発着するシビアな操作が要求されるとき、左側の視野に障害物が入るのは、感覚的にはとてもプレッシャーになります。左舷に艦橋のある「赤城」や「飛龍」に配属されるのを露骨に嫌がるパイロットも居たようです。こうした声から、「飛龍」の後継である空母「翔鶴」以降は艦橋が右舷に統一されます。

 黎明期には空母「龍驤」のように、そもそも甲板上に艦橋のない空母もありましたが、ともあれこうした経緯を経て、こんにちでは空母の艦橋は甲板の右舷側に置かれているのです。

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