東京駅前にサスティナブルなフードコートが出現しました。「Beeat!!八重洲」は「おいしい食の未来」がテーマの野外フードコート。ぜひサスティナブルなムーブメントに絡んでいきたくて行ってみました。
場所は八重洲の、バス停の真ん前。高速バスで出かける人や帰ってきた人が立ち寄るのにも良さそうです。
衛生面も意識が高い
野外フードコートは衛生面が気がかりだったりしますが、こちらは水道と石鹸があって、さすが意識が高いです。
まず、入ってすぐのところに「ベジチェック」というマシーンがありました。カゴメのマシーンで、手の平をオーラ計測器みたいな機器に乗せると、野菜摂取レベルを測定できるようです。
センサーが皮膚のカロテノイド量(緑黄色野菜の色素成分)を計測するという、すごいテクノロジーです。結果は6.8で、ちょっと足りないくらいの野菜摂取量でした。(目標値は7~8)
入り口のところで野菜摂取量について調べたので、フードコートは野菜料理が豊富なのかと思ったらとくにそういうわけでもないようでした。
水餃子や炸醤麺などの中華の店、ステーキや薬膳カレーの店、プラントベースのハンバーガー店、ピザの店など、フードトラック風の店が並んでいます。
中心部分に椅子とテーブルが並んでいて、材質は木が多くて温かみがあります。奥には階段状のベンチがあって、なんとなくリア充なグループが座りそうです。
フードコートに漂うポジティブなヴァイブス
お店のカウンターがやたら高い位置にあり、お客はかなり見下ろされている位置関係になっていて、お金を払うときは背伸びしないとならないのですが、それも新鮮な感覚です。
ちなみに最近の新しい施設はキャッシュレス化が進んでいますが、こちらは現金もOKでありがたいです。
プラントベース(ソイミート)のナゲットやエビとキノコのピザを購入。フードコートだと、料理ができたら音が鳴る受信機を手渡されることが多いです。でも、こちらはお店の人が「◯番の人~!」と声を張り上げて呼び出すのも、省エネ的で環境に優しい感じがします。ピザか袋から出して温めていたり、簡単な調理でしたが味はまあまあでした。
客席を見ると、時間が早かったからか、女性客数組とヒップホップ系の若者2人組、それから近隣のビジネスマン風男性数人がいました。
会社帰りのサラリーマンというと、愚痴とか多い印象ですが、この開放的でエシカルなフードコートで過ごすと、ネガティブなトークにはならないようです。
彼らの話が聞こえてきたのですが、「子どもが小学校に上がる段階で郊外に一軒家を買いたい」など前向きなことを話していました。サスティナブルで意識の高いフードコートに行くと、ポジティブなヴァイブスをまとえそうです。
ふと周りを見渡すと、建設中のビルに囲まれていることに気付きました。この場所は発展していくエネルギーを吸収できてかなりのパワースポットかもしれません。
運気とサスティナブル意識を高めたい人にはおすすめですが、2022年3月までの期間限定で屋外なのでこれからは寒くなるいっぽうです......。
気候変動にも耐えられる体に。精神的にも鍛えられるフードコートです。
辛酸なめ子
東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著に、『ヌルラン』(太田出版)、『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』(PHP研究所)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)『愛すべき音大生の生態』(PHP研究所)などがある。
