かねて検討されていた高速道路SA・PAの立体駐車場化が、まず東名高速で整備されます。駐車マス不足の抜本対策に位置づけられていますが、これにより小型車は立体へ“追いやられる”ことになるかもしれません。
立体駐車場はまず東名のPAへ
高速道路では夜間帯を中心にSA・PAでトラックがあふれ、大混雑しています。NEXCO各社は各地のSA・PAで駐車マスを拡充してきましたが、これまでにない対策メニューも実行に移されようとしています。
その一つが、駐車場の「立体化」です。国土交通省高速道路課によると、2024年度から東名高速へ導入するため事業化しているといいます。
深夜の高速道路はトラックだらけ。写真はイメージ(乗りものニュース編集部撮影)。
立体駐車場が導入されるのは、東名高速の鮎沢PA上り線(神奈川県山北町)です。
「東名の上りは都心に近づくほど大型車が多くなりますが、海老名SAのような都心に近いエリアだとスペースがありません」とのことで、比較的近くて余裕のある鮎沢PA上り線が選ばれたといいます。
具体的には、現在ドッグランなどになっているエリア西側の敷地を活用。鮎沢PA上り線は2021年に駐車マスの拡張工事が行われ、小型車専用マス68台分を全廃して小型・中型および小型・大型の兼用マスとして整備されましたが、今後、小型車は立体駐車場へ移行し、地平部は大型車マスへ変更する方針も示されています。
立体駐車場の構造については検討中とのこと。これまでになかった立体構造を「まず、やってみる」ものだといい、駐車マス不足を抜本的に打破する対策として位置付けているそうです。
もう一つ、大型車の新たな方式として検討されているのが、「複数縦列式(コラム式)」と呼ばれるもの。これはトラックの駐車位置を出発時間などで整理し、縦列駐車させることでより効率的にスペースを活用するものです。これについては山陽道の佐波川SA下り線(山口県防府市)への導入が決まっています。
このほか、旧本線料金所跡地を活用した大型専用駐車場、IC料金所の用地を活用したIC内側駐車場、遊休バス停を活用した本線上のミニPAなど、あの手この手で駐車場所を確保する施策が展開されていきます。