仕事、家事、育児でバタバタの毎日。自分のことは後回しになりがちですが、たまにはおいしいワインでも飲みながら、リラックスタイムを楽しみたいですね。今日11/16はボージョレ・ヌーヴォーの解禁日。これを機に、知ってるようで知らない「ワインについてのあれこれ」を知ってみませんか?
今回は、『世界一おいしいワインの楽しみ方』(Tamy著、三笠書房刊)から一部抜粋・再編集してお届けします。
ワインは少しひんやりが適温
※写真はイメージです
ワインをおいしく飲むには、それぞれのワインについて飲み頃の温度を知っておくことが大切です。
一般的に「赤は常温、白は冷やして」といわれていますが、この「赤は常温」とはヨーロッパの地下室などの温度(18℃前後)を指していることから、日本の常温、特に夏場は赤ワインにとって温度が高過ぎることがあります。
冬なら暖房のない部屋にワインを置き、夏は冷蔵庫の野菜室などで冷やして、飲む前に出すとちょうどいい温度になるでしょう。
赤ワインは冷やし過ぎると渋味やタンニンが強くなるので注意。軽めの赤なら14℃~16℃、フルボディなど重めの赤なら16℃~20℃ぐらいがオススメです。
白ワインは酸味のあるフルーティーなタイプは、冷やした方がフレッシュな味わいになります。逆にコクのある重めの白ワインは、冷やし過ぎると味や香りが損なわれることも……。
軽めの白は6℃~11℃、重めの白なら12℃~16℃ぐらいが適温でしょう。
またスパークリングワインの場合は、ほかのワインに比べてやや温度を低めにしておくのがベターです。そうすることで、スパークリングワイン特有の爽やかな酸味をスッキリと感じられます。温度は6℃~10℃が飲み頃です。
冷やす時間の正解は?
では、常温のワインを冷蔵庫やワインクーラーを使って適温にするには、それぞれどのくらいの時間冷やす必要があるのでしょう。室内22℃で冷蔵庫は4℃、ワインクーラーは氷水で冷やした場合、時間が次の通りです。
✅ 重めの赤ワイン(適温16℃~20℃)
→冷蔵庫 約30分
✅ 軽めの赤ワイン(適温14℃~16℃)
→冷蔵庫 約45分
✅ 重めの白ワイン(適温12℃~16℃)
→冷蔵庫 約1時間/ワインクーラー 約10分
✅ 軽めの白ワイン・ロゼワイン(適温6℃~11℃)
→冷蔵庫 約2時間/ワインクーラー 約15分
✅ スパークリングワイン・デザートワイン(適温6℃~10℃)
→冷蔵庫 約3時間/ワインクーラー 約25分
あくまで一例ですが、常温のワインをちょうどいい飲み頃の温度にする際に、大まかな目安にしてみてください。
夏場などの暑い時期は、少し長めに冷やしておくといいでしょう。
ボジョレーヌーヴォーって?
※写真はイメージです
毎年、11月の第3木曜日はボジョレーヌーヴォーの解禁日です。ニュースなどで報じられることもあり、目にしたことがあるという人も多いでしょう。
ボジョレーヌーヴォーは「マセラシオン・カルボニック」という特殊な醸造法で造られるワインです。密閉タンクに黒ブドウを入れ、炭酸ガスを充満させて数日間置き、圧搾して果汁を搾ります。その後は白ワインのように取り出した果汁を発酵させるので、色味がしっかり出て渋味の少ないワインになります。この方法で造ったワインはキャンディのような香りになるのが特徴です。
ソムリエがよく「いちごキャンディや甘草の香り」とたとえますが、この特徴を掴むと毎年の出来の違いを楽しめるかもしれません。
ボジョレーヌーヴォーと鶏肉の赤ワイン煮
ボジョレー地区はフランスのワイン二大名産地であるブルゴーニュ地方の南端に位置します。そこで、ボジョレーワインに合うブルゴーニュ地方の郷土料理「鶏肉の赤ワイン煮」を紹介しましょう。
フランス語で「コックオーヴァン(coq au vin)」といいますが、スーパーなどで売っているお手頃価格のボジョレーワインを使って、「コックオーボジョレー」にしてみるのはいかがでしょう。
『世界一おいしいワインの楽しみ方』より(イラスト:Tamy)
材料(2人前)
漬け込む材料(☆)
☆鶏モモ肉 … 200g
☆玉ねぎ … 1個
☆にんじん … 1本
☆ニンニク … 1片
☆ローリエ … 1枚
☆赤ワイン … 375 m l(ハーフボトルワイン1本)
小麦粉 … 適量
バター … 10g
塩・コショウ … 適量
作り方
1. 鶏肉はぶつ切り、玉ねぎは輪切り、人参は一口大に切る
2. 1の材料とローリエ、赤ワインをすべて入れ、冷蔵庫で一晩漬ける
3. 2の鶏肉を取り出し、水気を取り、小麦粉をまぶす。バターを熱したフライパンにニンニクを入れ、鶏肉を両面焼く
4. 鍋に2の材料と3の鶏肉を入れ、30〜40分程弱火で煮込む
5. 塩こしょうして出来上がり!
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『世界一おいしいワインの楽しみ方』より(イラスト:Tamy)
このほかにも「ワイングラスの種類」「ワインを買う時のポイント」「ワインマナー」など、初心者も楽しめる情報が万歳の『世界一おいしいワインの楽しみ方』では、かわいいイラストとともにワインが楽しく学べちゃいます!
書籍『世界一おいしい ワインの楽しみ方』
著者:Tamy
イラストレーター、エッセイスト。
ドイツワインの輸入商社勤務を経て、結婚・出産。二児の子育てと義両親の介護の傍ら、ワインエキスパートの資格を取得。トラベラーズノートに描いた食べもの日記がInstagramで話題になり、現在のフォロワー数は約7万人。丁寧でやさしいイラストで、国内外から人気を呼ぶ。現在「ESSE online」でレシピ記事を連載中。著書に『たべてしあわせ おいしいノート』(三交社)がある。
飲酒は20歳になってから/お酒は楽しく適量で/妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります