ロシア軍の夏季攻勢か?
ロシア軍が装甲車両を大量投入か
ウクライナ国防省は2024年7月30日、ドネツク州のクラホヴェ方面でロシア軍の機械化部隊による大規模な攻撃を撃退したと発表。映像を公開しました。
ウクライナ領内に侵攻するロシア軍の車列(画像:ロシア国防省)。
同国防省によると、ロシア軍は57両もの装甲車両を投入してきたとのこと。ウクライナ軍は空中機動軍(空挺軍)の第79独立空中強襲旅団が迎撃し、歩兵戦闘車12両、戦車8両を破壊したとしています。
この方面では、2024年7月24日にもロシア軍の大規模攻撃があり、57両の戦車及び装甲車、12台のオートバイなどが投入された模様です。ウクライナ軍はこの戦闘で、戦車6両、歩兵戦闘車7両、オートバイ12台を撃破したと報告。ドローンや砲兵、地雷などを有効に組み合わせてロシア軍を阻止したと発表していました。
ただドネツク州では、ロシア軍が大きな損害を出しながらも進撃を続けており、火砲や砲弾、防空ミサイルが不足しているウクライナ軍は苦しい状況に追い込まれています。
イギリス国防省は7月30日、ロシア軍がドネツク州で物流の中心地となっているポクロウシクに迫っていると発表。ロシア軍は今後数週間、戦術的な前進を続ける可能性が高いと分析しています。一方でロシア軍は、高い損耗率や訓練不足、将校の不足などにより、全体的な作戦能力は制限されているとも付け加えています。
アメリカのシンクタンク・戦争研究所は、ドネツク州西部におけるロシア軍の攻勢について、「消耗戦を通じてウクライナの能力を低下させることを意図している可能性が高い」と分析。ロシア軍は、装甲車両の大量損失と引き換えに限られた戦術的前進を追求しているものの、旧ソ連時代からの武器在庫が減っていくにつれて負担も増していくとの見解を示しています。