多くの薬は、「食前」「食間」「食後」のいずれかのタイミングで飲むよう、指定されています。正しく服用しないと、薬の効果を最大限に発揮できない場合もあるため、服用のルールはしっかり守りたいものです。
ところで、「食前」「食間」「食後」は、具体的にどのような時間帯を指すのでしょうか。正しい薬の飲み方について、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。
「食間」は食事の最中ではない
Q.多くの薬は、「食前」「食間」「食後」といった形で服用する時間帯が指定されています。それぞれ、具体的にはどのような時間帯を指すのでしょうか。
真部さん「基本的に、『食直前』『食直後』という指定がない場合、食事の数十分前または食事をしてから数十分後に服用すると、薬の効果が十分に発揮され、体にとっても負担が少ないと思います。例えば、漢方薬や胃薬など、食前に飲むよう指定されている薬の場合、食事の予定時間の20分前から30分前、食後に飲むよう指定されている薬の場合は、食べ物が胃の中に残っている食後20分から30分程度を目安にそれぞれ服用しましょう。
また、『食間』は少しまぎらわしいのですが、『食事をしている間』というわけではなく、食事と食事の間の時間という意味になります。具体的には、前の食事を終えてから2～3時間後で、次の食事の時間まで数時間空いているとベストですね」
Q.食後に服用するよう、指定されている薬を飲まなければならないときに、食欲がなくて食事ができない場合はどうしたらよいのでしょうか。
真部さん「食後の方が吸収がよい薬のほか、胃の粘膜が荒れてしまうといった副作用がある薬のほとんどは、食後に服用するよう、指定されています。少しでも胃に食べ物が入っていると胃を保護できるようになるため、おなかがすいていなかったとしても、クッキーやゼリーなどの菓子を少量食べると良いですね。
特に、糖尿病用の薬など、血糖値を下げる効果のある薬の場合、空腹の状態で服用すると血糖値が下がり過ぎてしまうことがあるため、注意しましょう」
Q.薬を飲むときは、どのような飲み物と組み合わせた方がよいのでしょうか。
真部さん「多くの薬の場合、基本的にコップ1杯程度の水と一緒に飲むのを推奨していると思います。一方、お茶やコーヒー、グレープフルーツジュースなどで薬を飲んでしまうと、薬の成分や効果を変化させてしまう可能性があるため、薬の説明書を一度確認しておくと良いですね。漢方薬の場合、溶けやすく飲みやすくなるため、お湯での服用を推奨していることが多いと思います」
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薬の処方時に薬剤師から説明を受けていたものの、飲むタイミングを勘違いしていたという人は多いのではないでしょうか。
せっかく効果が出るように処方されていても、飲み方の影響で薬の効果が落ちてしまうと困りますよね。もし飲み方や副作用など、薬に関する不安や疑問点がある場合は、遠慮せずにかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。
オトナンサー編集部
