美容院に行ったときに、担当の美容師から「店で使っているシャンプーなので、自宅でも使ってみませんか?」と、ヘアケア商品の購入を勧められることがあります。その際、「断ったら印象が悪くなるのではないか」と考え、困った経験はありませんか。
美容院で商品の売り込みを断った場合、美容師との関係性が悪化する可能性はあるのでしょうか。美容師の原木佳祐さんに教えていただきました。
断っても特に問題なし
Q.そもそも、美容院で販売されている商品の価格が、市販の商品よりも高いのはなぜなのでしょうか。
原木さん「各美容院では、一般市場に出回らない『美容室専売品』という商品を販売しています。なぜわざわざ美容院でしか販売しないのかというと、そもそも市販品と美容室専売品とでは、商品の内容に明確な違いがあるからです。
まず、市販品は誰がどのように使ってもしっかりと洗えることを目的としているため、洗いやすさや仕上がりの感触が良く、洗浄力が強い成分が含まれています。洗浄力が強いのはメリットである一方、肌に刺激を感じやすい人が多いことも事実です。
一方、美容室専売品は、洗浄力に関しては穏やかであるものの、市販品ではなかなか採用されないような高価な成分が含まれていることも多いのが特徴です。また、販売している美容院が監修している商品などは、その店の特徴やこだわりが感じられるものもあります。例えば、カラーが得意な美容院の場合、洗浄力を保ちつつ、色落ちやダメージを軽減してくれるような商品を扱っています」
Q.専売品に関する営業を断った場合、美容師との関係性が悪化する可能性はありますか。
原木さん「お客さまには、予算のほか、『現在使っている商品が気に入っている』など、さまざまな理由があると思います。そのため、営業トークを断ったからといって、美容師との関係性が悪くなることはないため、安心してください。むしろ、『無理に押し付けているのでは』と気にしている美容師も少なくないと思います。勧められた商品が気になった場合、後で声を掛ければ対応してくれるはずです」
Q.一度購入したら、同じ商品を買い続けないといけないのでしょうか。
原木さん「そのようなことはありません。確かに、シャンプーやコンディショナーなどは長く使うことで効果が表れるものも多いのですが、だからといって『毎回買い続けてほしい』と押し付けることはありません。
ただ、店で開発している商品などは、特にお客さまからのフィードバックが非常に重要な情報源になるため、『使ってみてどうだったか』を話題に出されることはあると思います。そのときは、正直な感想を担当の美容師に伝えていただけると、今後の商品開発や仕入れる商品の参考になるため、ありがたいですね」
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商品の売り込みを断っても、特に問題はないということです。美容室専売品であっても、すべての人の髪に効果的だとは限りません。自分に合ったヘアケア商品を使い続けたいものですね。
オトナンサー編集部