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経営の行方や未来を徹底的に雑談 「これでいい」のビジョンをもつ

J-CAST ニュース

ライフ・美容

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■『MUJIが生まれる「思想」と「言葉」』(良品計画著、KADOKAWA)

世界28か国に店舗をもち、MUJIブランドを確立した良品計画。2000年代にはインターネットの深化とSPA(製造小売り)の登場でブランド価値の揺らぎにあえいだ時期もある。欧州で英独仏をはじめ9か国、中東で5か国のネットワークは日本のブランドとしては際立つ。西友のプライベートブランドとして、食品から出発した小売業によるブランド。

セゾングループの総帥堤清二は、1980年、資本の論理が繰り広げる消費社会の行き過ぎに対して、商品を、人間の論理から見つめなおす試みとして無印良品をスタートした。日本を代表するクリエーターが参画し、商品の発想、パッケージ、売り場、広告をすべて一貫した思想で形づくった。世界の店舗数は876。連結売上高3800億円弱。営業利益率は10%を超え、小売業の平均を大きく上回っている。同社で25年生活雑貨の企画、社長、会長を歴任した金井政明氏が、その経営の内側を発信したのが本書である。

大戦略は、役に立つ

良品計画では、経営の大戦略に「役に立つ」を置いている。

無印良品という言葉は、感じのよい社会を目指す同社の活動プロセスを表しているという。店舗にならぶ商品は生活を感じよくするために選んだ一連の行動の成果だという。この会社では製品は生み出すのではなく生まれるのである。この大戦略は社員の思想に浸透している。高齢化も人口減少も社会の課題。であれば役に立てそうなことからやってみよう。そう社員は考えているのだ。

商品開発の基本は、等身大の自分の生活をより良く美しく整えるということ。生活者の視点で装飾、機能のムダを引き算で省いていく。お酒でも香水でもなく、水のように役に立つというコンセプト。だからこそ、中東と欧州とアジアという異質のマーケットで顧客の心をつかんでいるのだろう。

顧客中心とは~天動説にならないための戒め

売上高が大きくなり社員が増えると、それを維持するために、自社商品から市場を分析しがちになる。同社には、社長・会長が右と言ったら、他の参加者が左ではないか?と言わなければならない会議がある。あえてそのような議論をすることで正しい判断に至ろうとしている。効率が良いことや生産性が高いこと、利益率が高いことは異を唱えにくい立論である。しかし顧客の心をつかむためには、非効率になっても、大胆に対応することが必要な時もある。

雑談が生んだ海外展開

自分の無意識と自分を出会わせる。自分と自分を反応させながら、他者と自分を出会わせていく。同社では、そのために、役員間は週二回、営業系と商品系とも週二回、無印良品の行方と社会の未来について、徹底的に雑談を繰り返している。そこには根拠に基づく論理的な議論ではなく、体験や読書を材料に感性的な議論がされている。

「今時代は動いている」、「新合理主義ということばがある」、「人々は疲れている。普遍性や世界的な合理価値を示してほしいと願っている」云々。 

欧州に進出するきっかけはそうした雑談から生まれ、ミラノ・サローネに出展して足がかりを得たのである。

倉本長治~良心的に、クリエイティブに

同社のスタッフが常に携帯する手帳がある。1948年に出版社「商業界」をはじめた倉本長治氏の語録である。小売業の使命とは、「自然と人」、「人と社会」、「人と人」の橋渡しをすること。そのために社員は知識を広げ、生活の基本領域に入り、全国津々浦々にお役に立つ出店方法を考える。デジタル技術を積極的に導入し会社を作り変えている。社員に奨励されているのは「情報編集力」。

やり遂げるという強い想いを出発点にして、情報と情報をつなぎ、アイデアを構想する力。こうした力を培うには、当事者としていろいろな業務を経験しやり遂げさせることが役に立つという。

あいさつ、清掃、仕事のムダ取り、雑談。これらすべてが、多様な価値観を知り、得手不得手を助け合う企業風土が日々培われているのである。<J-CASTトレンド>

経済官庁 ドラえもんの妻

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