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フェイクニュースや陰謀史観はねつける 歴史家としてぶれない信条

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■『実証史学への道―歴史家の回想』(著・秦郁彦、聞き手・笹森春樹 中央公論新社)

現代史家の秦郁彦氏(1932年生)は、1956年に東大法学部を卒業後、大蔵省に入省、防衛省や財務省財政史室長などを経て、1976年に大蔵省辞職後、大学教授として活躍してきた。霞が関官僚としてのキャリア(20年)を持つ歴史家というのは日本では珍しいと思う。

氏の著作については、これまでも、『陰謀史観』(新潮新書 2012年)(2013/10/17付記事)や共著の『「BC級裁判」を読む』(日経ビジネス人文庫 2015年7月、単行本:日本経済新聞社 2010年8月)(2015/8/ 6付記事)に言及したことがある。

学生時代に行った巣鴨プリズンのA級戦犯ヒアリング

本書「実証史学への道―一歴史家の回想」(中央公論新社)は、読売新聞の連載企画である「時代の証言者」シリーズの一環で、同紙朝刊に2017年3月14日から4月26日にかけて31回連載されたものを、第I部「実証史学への道」として加筆・補正の上、昨年7月に世に問われた。第II部は、「歴史の観察と解釈に向けた智慧」として、歴史とは何か、歴史家の任務は、といった部分にも触れたエッセイ風の論稿が入れられ、第III部「旧陸海軍指導者たちの証言」として、1953年に秦氏が大学生時代に行った巣鴨プリズンに抑留されていたA級戦犯を含む旧陸海軍首脳へのヒアリング記録がおさめられる。

秦郁彦氏の魅力は、やはり、本書でも表題になっているように「実証史学」に徹するその姿勢に由来する。「特定のイデオロギー活動にコミットしない。フィクションが無意識のうちに刷り込まれないよう、歴史小説やテレビの歴史ドラマはなるべく見ない。フェイク(偽)・ニュースや詐話師に振り回されない知恵と技法を身につける。陰謀史観や文明(史)論へ逃げこまない」などが自身に課した信条だという。

著作が多数あるので、残念ながらそのすべてを読めていないが、評者が愛読した秦氏の代表作の1つ「昭和史の謎を追う」(上下。単行本 文藝春秋 1993年、文春文庫1999年 版元品切)は、政治学者の御厨貴氏の言葉を借りれば、「著者は、昭和史上の軍事と戦争に関わる事件を時系列的にとりあげ、論争史の水先案内人の役割をかって出た。ここでは事実と推測とウソとを明確に腑分(ふわ)けする著者の歴史家としての力量を、充分に堪能できる。とりわけ俗耳に入りやすい陰謀史観に対するチャレンジが興味をひく」(「本に映る時代」 読売新聞社 1997年)のである。

「レトリックではなくて、トリックではないか」

本書の第I部では、大蔵官僚として「昭和財政史―終戦から講話まで」(東洋経済新報社)にかかわり、第3巻「アメリカの対日占領政策」(1976年7月)を刊行する際、国会での紛糾を恐れた上司の修正要求をはねつけるために、大蔵省を退官した経緯に淡々と触れる。また、戦後の「岩波・朝日文化人」を代表する歴史家・家永三郎氏との激しい論争の顛末、いわゆる慰安婦問題への関わりなども、たいへん示唆深い。さらに、戦前の歴史研究の基礎資料としての「日本陸海軍総合事典」の作成なども非常に高く評価されるものだろう。

第II部で、氏の経験則から得た、歴史の観察と解釈についての知恵あるいは指針として、「1.一般理論は存在せず、部分理論しかない」、「2.真理は中間にあり」、「3.職人意識を忘れない」をあげ、最近の風潮では、「事実よりも真実を」と巧みなレトリックに訴える人の存在を指摘し、そのような場合、「レトリックではなくて、トリックではないか」と疑うという。令和の時代には、氏の冷静な視点が世の中できちんと共有されればと願う。<J-CASTトレンド>

経済官庁 AK

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