摩耗したシールドマシンの画像も公開。
巨大な岩塊出現でシールドマシンもボロボロに
鉄道・運輸機構は2024年5月8日、建設を進めている北海道新幹線の新函館北斗~札幌間(約212km)の工事状況を明らかにし、目標としていた2030年度末の完成・開業は「極めて困難」であると発表しました。
北海道新幹線の車両(画像:写真AC)。
北海道新幹線の新函館北斗~札幌間は、途中に新八雲(仮称)、長万部、倶知安、新小樽(仮称)駅が設けられる計画。約8割がトンネルとなり、トンネル発生土は約2000万立方メートルにおよびます。2012年6月に着工し、2015年の政府・与党申し合わせで2030年度末の完成・開業を目指すとされていました。
鉄道・運輸機構によると、トンネル発生土の受入地確保が難航したことや、想定していなかった巨大な岩塊の出現、想定を上回る地質不良などが生じているとのこと。現時点でも、既に3~4年程度の遅延が発生しているといいます。
羊蹄トンネル(比羅夫)工区では、シールドマシン前方に巨大な岩塊群が出現し、長期間掘進が中断。迂回トンネルを掘削して反対側から岩塊群を撤去したものの、大雪による掘削設備の現地組み立ての遅延、シールドマシンの刃の交換で約4年遅れが発生し、工程遅延は解消できていないそうです。
今もなお地質不良は続いており、4月以降は働き方改革も実施されるため、工期短縮策を取り入れても効果は一定程度にとどまる見込み。「現時点で具体的な完成・開業時期を示すことは技術的に困難」としています。