浪人生の割合は減少
独立行政法人大学入試センター(目黒区駒場)が12月7日(火)、2022年1月15日(土)、16日に行われる「大学入学共通テスト」の確定志願者数を発表しました。
志願者数は
・53万367人
で前年度より4878人減少したものの、現役志願率は45.1%と過去最高を記録しました。
その一方、既卒生は前年度より4222人少ない、
・7万6785人
と減少傾向が続いています。

センター試験から大学入学共通テストに切り替わる節目となった前年度の1万9369人減と比べれば落ち着きましたが、現役志向は確実に強まっています。
既卒生の出願者数が10万人を割り込んだのは2015年度だったことを考えると、減少はかなりのハイペースといえるでしょう。
そんななか大学進学率は右肩上がりで、文部科学省の「2020年度 学校基本調査」によると、大学(学部)進学率は過去最高の54.4%記録しています。現状は
「大学進学者は増えても、浪人生の割合は減っている」
のです。この原因が、
・大学数の増加
・少子化
にあることはいうまでもありません。大学数が少なければ激戦となり、浪人せざるを得ないケースが増えますが、その数が増えれば「大学進学」自体のハードルは低くなります。
文部科学省は、2020年代半ばに受験学年に相当する18歳人口が110万人を割り込むと予想しており、現役志向はますます進むと予想されます。
多浪の割合が増えた医学部
さて、文部科学省が毎年行っている「学校基本調査」には、1967(昭和42)年度から2014年度までの大学入学者の人数が集計されています。
1967年度の大学入学者(昼間)は25万9434人で、そのうち1浪は6万7058人、2浪以上は1万1874人と、その割合は30.4%でした。しかし、2014年度には13.5%まで減少しています。また大学数では、2014年度が781校で1967年度(369校)の2倍以上になっています。
1967年に18歳となった人たちは「第1次ベビーブーマー世代」です。人口は約240万人と2014年度の18歳人口より100万人以上多く、さらに大学進学に対する意識も現代とは大きく異なりました。大学は今よりも狭き門であり、浪人生の割合は高かったのです。
しかし、浪人生が減少している現在でも医学部は時代に逆行しています。

医学部(医学科)の受験において、浪人は当たり前とされています。高い学力はもちろん、募集人員も少なく、近年では面接必須の大学も増加しています。
この30年間で、医学部志願者数のうち、激増しているのが4浪以上の受験生です。
前述の学校基本調査では、1984年度における医学部医学科の志願者のうち、4浪以上は5082人。2014年度の医学部の志願者数のうち4浪以上は2万4723人となっています。ただ、2014年度のデータは医学科と他学科が分けられていないため、ある程度差し引いて考える必要はありますが、それでも大きな差になっています。
ちなみに同じ条件で4浪以上の「医学部への志願者」を比べると、2004(平成16)年度は1万6041人でした。少子化が進んでいるにも関わらず、10年間で医学部への志願者が8000人以上も増えているのです。
医学入部といういばらの道
大学数は平成の30年間で増えましたが、医学部は専門教職員や施設の確保が容易ではないため、同程度に増えていません。
また受験生側も「医者になる」と決めて受験勉強をし始めるとルート変更が難しく、多浪の志願者が増え続ける要因となっています。

大学入学のハードルは低くなっていますが、乗り越える壁はこれまでになく高いものとなっています。医学の道を目指す受験生にとって「大学全入」は夢のような言葉といえるでしょう。
