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US-2飛行艇 モノはいいのになぜ売れない? 日本の飛行艇技術 継承困難になる可能性

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航空機の分野で現代日本が世界の第一線に立つもののひとつに飛行艇が挙げられますが、その輸出はまったく振るっていません。インドへのUS-2輸出交渉でその課題は浮き彫りになっており、また技術継承の危機も見えてきました。

US-2救難飛行艇 7号機完成 新明和の海上自衛隊向け飛行艇50機目に

 2020年2月22日(土)、新明和工業の甲南工場(神戸市東灘区)で、海上自衛隊のUS-2救難飛行艇 7号機が完成しました。同機は、新明和工業が海上自衛隊向けに製造した通算50機目の飛行艇で、これを記念して同日、甲南工場で記念式典が開催されています。

Large 200303 us2 01海上自衛隊のUS-2救難飛行艇。2020年2月22日に7号機が海上自衛隊へ納入された(画像:海上自衛隊)。

 新明和工業は第2次世界大戦前から戦中にかけて、九七式飛行艇と二式飛行艇という、世界的に見ても高いレベルの大型飛行艇を開発した、川西航空機を前身に持つ企業です。

 同社は第2次世界大戦後、GHQ(連合軍最高司令部)が定めた、航空機の開発や製造を禁ずる「航空禁止令」のあおりをまともに受けた企業のひとつです。しかし、この禁止令が解除されて間もない1953(昭和28)年ごろから対潜哨戒用飛行艇の開発を模索し、防衛庁(当時)に提案を行なっていました。

 その提案が実り、1960(昭和35)年には対潜飛行艇PS-Xの開発が決定、10年後の1970(昭和45)年、海上自衛隊にPS-1として採用されました。ところが、PS-1は重量の超過により操縦が難しく、また実用化されたころには、より能力の高いP-3Cのような対潜哨戒機が登場したため、1980(昭和55)年に23機で生産が打ち切られてしまいます。

 PS-1は、対潜哨戒機としては成功を収められませんでしたが、操縦性の悪さといった問題点はその後の改良により解決されており、飛行艇としての完成度は極めて高いレベルに達していました。このため防衛庁は、PS-1に洋上救難器具を搭載し、陸上でも離着陸を可能にするためのランディングギア追加といった改良を施した、救難飛行艇US-1の導入を決定します。

 その後US-1のエンジンを強化したUS-1A、US-1Aをベースに機体の軽量化や、フライ・バイ・ワイヤ操縦システムの導入など、大幅な改良を加えたUS-2が開発されました。

世界でも高評価を得るUS-2 なのに輸出が振るわないワケ

 US-2の性能は世界でも高く評価されており、複数の国と輸出に向けた話し合いが進められています。そのなかで最も輸出の可能性の高いインドとは、かなり具体的な話し合いが行なわれていますが、2013(平成25)年5月の協議開始からまもなく7年になろうとしている2020年現在に至っても、合意に至っていません。

 インドとの交渉が進まない最大の理由は、US-2が高性能な飛行艇であるが故に、価格が高いためだといわれています。ロシアのベリエフが生産しているジェット飛行艇Be-200の価格が約7000万ドル(約75億4500万円)であるのに対し、US-2の価格は123億円(2013年度防衛省調達課価格)と50億円近く高価であり、近年、経済成長の著しいインドであっても、おいそれと手が出しにくい価格であると筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)も思います。

Large 200303 us2 02ロシアのベリエフが生産しているジェット飛行艇Be-200(竹内 修撮影)。

 輸出交渉が難航している理由は価格だけではありません。欧米やロシア、中国の企業が発展途上国や中進国に防衛装備品を輸出する際には、しばしばその国の現役の軍人が輸出先の軍隊へ派遣されて、運用や整備をサポートすることがあります。

 US-2は高性能であるがゆえに運用や整備が難しく、海上自衛隊でも高い技術を必要としているのが現状です。これまでUS-2のような大型飛行艇を運用した経験のないインドが同機を運用するためには、経験を積んだ海上自衛隊の隊員が一定期間、インドで運用や整備の支援を行なう必要があると考えられます。

 ところが、現時点において民間企業である新明和工業の、ビジネスであるUS-2の輸出を、防衛省・自衛隊が支援する仕組みはなく、これもインドとの交渉が難航している理由のひとつと考えられます。

やがて訪れるUS-2後継機選定 日本の飛行艇は存続できるのか?

 インドのモディ政権は防衛装備品の国産化を進めており、同国空軍が運用していたMiG-21戦闘機を後継する新戦闘機の導入計画でも、インドへの大幅な技術移転と、インド国内での生産比率の向上を掲げています。

 US-2は、一定の条件付きで防衛装備品の輸出や技術移転を認める「防衛装備移転三原則」で、輸出が認められている「捜索救難」に使用される防衛装備品であり、また安倍政権はインドを、インド太平洋地域と世界の平和と繁栄のために協働する重要なパートナーと位置づけているため、技術移転にあたって大きな問題は生じないと考えられます。

 ただ、前述したようにUS-2には多数の新技術が盛りこまれているため、インド国内での生産の実現は難しいと見られています。日本側からは、日本から完成機を輸入して、インド国内では整備やスペアパーツの製造を行なうとの提案もなされていますが、インド側はこの提案に難色を示したともいわれています。

Large 200303 us2 03川西航空機(当時)が製造した旧日本海軍の二式飛行艇。「二式大艇」の通称でも広く知られる(画像:アメリカ海軍)。

 ひるがえって、海上自衛隊はUS-2を導入する際、V-22「オスプレイ」を比較検討の対象としていました。その際はV-22の技術的熟成が進んでいなかったことからUS-2が導入されることとなりましたが、US-2の後継機を選定する際には、再びV-22の導入も検討される可能性が高く、仮にV-22が捜索救難機に選定された場合、新明和工業の飛行艇事業は継続が困難になります。

 筆者は以前、US-2のインドへの輸出に携わっていた業界関係者から「US-2そのものをインドに輸出するのは困難であり、US-2の性能と価格を意図的に低下させた『US-3』を日本とインドで共同開発したほうが、インドへの輸出の道が開けるのではないか」との所感を聞いたことがあります。

 US-2より能力の劣る飛行艇を海上自衛隊が導入することに対しては、様々な意見があると思います。しかし、1931(昭和6)年に川西航空機が九〇式二号飛行艇の初飛行に成功して以来、90年以上に渡ってつむぎ続けられてきた大型飛行艇の技術を守るという観点で見れば、US-3の共同開発は検討に値するのではないかと筆者は思います。

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