古い時代に作られた鉄道の築堤下をくぐるガードを拡幅するため、道路側が4年間も通行止めとなっているところがあります。鉄道を止めずに施工するのは、かなり大変なことのようです。
狭すぎて危ない鉄道ガード 改築はここまで大がかりに!
埼玉県内で、鉄道の築堤下をくぐる県道の立体交差部を拡幅するため、道路側が4年間通行止めとなっている場所があります。列車は変わらず走っていますが、実はその下ではかなり大がかりな工事が行われています。
拡幅工事前の阿須ガード。現在は通行止めとなっている(画像:埼玉県)。
場所は飯能市、JR八高線の金子-東飯能間に交わる県道富岡入間線の「阿須ガード」です。ここは八高線が入間川を跨ぐ手前で高度を上げるため、金子駅側から築堤となっており、その築堤を函形のガードでくぐっています。
この県道は入間川南岸を東西に結んでおり、飯能市、入間市、そして東京都青梅市を相互につなぐ主要な道です。しかし、ガードの箇所は幅員5.5mと狭く、大型車はすれ違うことができません。
大学キャンパスがすぐ近くにあるものの、ガード部分は歩道もないことから、円滑な交通を確保すべく12mに拡幅、高さも広げることとなりました。
これに伴い、2023年9月からガード部分を完全閉鎖し、鉄道の運行を確保しながら本体工事を進めています。閉鎖は2027年9月末までの予定。
迂回路に設定された周辺の主要道路などでは、この区間が終日通行止めであることを周知する看板などが設置されているものの、SNSでは「阿須ガードはまだ当分ダメっすか?」「不便だねぇ…」「工事長すぎだろう」といった困惑の声も。迂回交通によって流れが変わり、渋滞も発生していることから、周辺地域で様々な安全対策がとられています。
工事は、既設の法面や土留擁壁の一部を撤去したほか、さらに線路への影響を防ぐため土留め杭が打設されています。8月頃からは、いよいよガードの拡幅位置までの掘削も開始される予定。その後は、新しいガードの枠となる構造物を造り、その中をくりぬいて仕上げていきます。
なお、「スケジュールは変更になる可能性があります」とされており、施工の進捗次第では、通行止め期間が変化する可能性もあります。