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日本最北の急行「花たび そうや」3年越し出発 旭川~稚内260km/6時間 乗りごたえ抜群!

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日本最北の路線、宗谷本線の旭川~稚内間で観光急行列車「花たび そうや」の運転が始まりました。3年越しの待ちに待ったデビューで、「今年こそ、行けSOYA」とのキャッチフレーズにも、その想いが込められています。

3年越し運行の「花たび そうや」 実は前身の列車も

 日本最北の鉄道路線であるJR宗谷本線にて2022年5月14日から、観光列車「花たび そうや」の運行が始まりました。旭川~稚内間の全線259.4kmを約6時間かけて運転する、全席指定の“急行”列車です。同線では22年ぶりの急行列車復活となりました。

Large 220517 soya 01「花たび そうや」。3両編成のうち中間はフリースペースとなる(須田浩司撮影)。

 宗谷本線沿線の魅力を活かした観光列車は、2019年7~9月に、臨時の観光列車「風っこそうや号」が初めて運転されました。JR東日本の観光車両「びゅうコースター風っこ」をJR北海道が借り受け、本州から回送輸送して使用したことでも話題に。乗客からの評判も良かったことから、2020年より車両を変更のうえ、急行列車「花たび そうや」として5月から6月の計15日間運転される予定でした。

 ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、すべての運行が中止になりました。

 翌2021年も、5月から6月の計8日間運転される予定でしたが、やはり感染拡大の影響で、運行開始前日の5月15日に中止が発表され、一度も運転されずにシーズンが終了しました。それだけに、今回の「花たび そうや」の運行は、まさに3年越しの“待ちに待った運行”。キャッチフレーズ「今年こそ、行けSOYA」にも、その想いが込められています。

「花たび そうや」に使用されるのは、2019年に登場したキハ40系の観光対応車両「山紫水明」シリーズです。列車による沿線の活性化を目的とした改造車で、緑色の「山明号」と紫色の「紫水号」の2両があります。それぞれ所属の車両所が異なるため、2両が一緒になって運行されるのはめずらしいといえましょう。

 車内は、木材をふんだんに取り入れた内装で、シートモケットも車体色に合わせたデザインに。木目調の内装パネルと木製の取っ手類、つり革、ボックスシートのヘッドレスト部分などが、一段の落ち着きと暖かさを与えてくれます。また、各ボックスシートには脱着式テーブルが設置されており、車窓を見ながらの食事が楽しめるようになっています。

 なお、今シーズンは車内での密を避ける目的から3両編成で運行。2018年に登場したキハ40系「北海道の恵み」シリーズ「流氷の恵み」を、「山明号」と「紫水号」の間に連結し、フリースペース(増結1号車)として開放しています。

各駅で熱烈歓迎!

 5月14日の旭川駅は、「花たび そうや」の運行開始を見届ける関係者や鉄道ファンなどで賑わっていました。駅構内の横断幕やポスター類が、列車の運行をさらに盛り上げます。指定席券は発売開始後、即完売に。このあとの運行予定日の指定席券も、すべての日程で完売しているそうです。

 旭川駅を出た列車は、遅い春を迎えた田園風景を眺めながら北上します。この時期は、暑くもなく寒くもない、気候としては過ごしやすい時期。窓を開け、そよ風を感じながら、流れゆく車窓を楽しむ……これこそ、鉄道旅の醍醐味のひとつではないでしょうか。

 比布を過ぎると、上川盆地と名寄盆地を結ぶ「塩狩峠」へ。三浦綾子著の小説や映画の舞台にもなった地としても有名で、峠の頂上付近に位置する塩狩駅の近くには、三浦氏の旧宅を復元した塩狩峠記念館があります。この付近には約1600本のエゾヤマ桜(オオヤマザクラ)があり、桜の名所としても知られていますが、今年は桜の開花が早かったこともあり、満開の桜の下で列車が停車する光景を見られなかったのが悔やまれるところです。

 塩狩峠を越えた列車は、和寒、剣淵、士別と停車。これら各停車駅でも、沿線住民や関係者による見送りを受けます。見送る側も見送りを受ける側も笑顔がいっぱい。心あたたまる瞬間でもあります。

 やがて、列車は名寄盆地にさしかかります。名寄駅近くの旧名寄本線(名寄~興部~紋別~遠軽)線路上には、全国でもここでしか見られないSLの排雪列車「キマロキ」編成が展示されており、その姿は車窓からも確認できます。この日は、「花たび そうや」の通過に合わせて汽笛を鳴らすという、ちょっとしたサプライズもありました。

Large 220517 soya 02「塩狩峠」の舞台にもなった塩狩駅(須田浩司撮影)。

 そして、旭川を発車すること約2時間後の12時34分、「花たび そうや」は名寄に到着します。この駅では10分停車するあいだに、後述するオリジナル弁当「そうやの恵みもりだくさん」の受け渡しがなど行われます。関係者や住民による見送りをあとに、終着の稚内へ向けて発車します。このまま終着の稚内まで乗車したかったのですが、残念ながら今回の「花たび そうや」の旅はここまで。後ろ髪を引かれる思いで、いったん名寄駅をあとにしました。

沿線も運行をバックアップ オリジナル弁当の販売も

 沿線地域も、「花たび そうや」の運行を積極的に盛り上げます。各停車駅では、沿線住民によるお出迎え・お見送りが行われるほか、特産品の販売などが行われます(一部駅を除く)。

 車内で味わえる弁当の販売も。名寄駅では、地元のケータリング会社「グレイスキュイジーヌ」の協力によるオリジナル弁当「そうやの恵みもりだくさん」や、宗谷本線マイレール意識向上事業実行委員会(中川町・音威子府村・幌延町)による「音威子府そば」「秘境牛」「中川牛」などを取り入れたご当地弁当の予約販売が行われます。

 このほか、ANAとの共同企画も実施されます。北海道までのANA便を利用し、所定のフリーパス類で乗車した人には、ANAロゴ入り「バゲージタグ」がプレゼントされます。

 そして、「花たび そうや」の運行期間中は、札幌・旭川~稚内間の特急「宗谷」「サロベツ」に261系5000番台「ラベンダー編成」が運行される予定。ラベンダーラウンジ(増1号車)では特産品の販売なども行われます。

 この「ラベンダー編成」と「花たび そうや」とを1日で楽しむ、あるいは、利尻島や礼文島へ足を伸ばすなど、旅のプランも広げられます。鉄道利用なら、現在発売中の「HOKKAIDO LOVE 6日間周遊パス」(12000円)を使うとさらにお得な旅行が楽しめるでしょう。

Large 220517 soya 03名寄駅でお見送りをする名寄運転所の方々(須田浩司撮影)。

 3年越しの運行開始となった「花たび そうや」。車窓の素晴らしさはもちろんのこと、沿線でのおもてなしやお見送りなど、観光列車ならではの楽しさを存分に堪能できる列車でした。惜しむらくは運行日数が少ないこと。来年以降の運行日数の拡大を是非とも期待したいところです。

 なお「花たび そうや」は急行列車として運行されるため、乗車券のほかに急行券と指定席券が別に必要です。5月17日現在、指定券はすべての日程で完売となっていますが、キャンセルで空きが出る可能性もありますので、「えきねっと」などでこまめに空席状況をチェックすると良いでしょう。

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