野村総合研究所(東京都千代田区)は2018年10月3日、保育士としての就労状況や就労意向に関するアンケート調査の結果を公表した。
「条件等が合えば、今すぐにでも」約6割が就労意欲あり
調査対象は全国の保育士資格を持つ20~59歳の女性7210人。そのなかには保育士資格を持っているものの、現在は保育士として働いていない「潜在保育士」も含んでいる。
まず現在の就労状況について尋ねた質問で、最も多かった回答が保育士として「就労していない(37.6%)」という結果に。「保育士として就労している」と答えたのは32.9%、「保育士以外の職種で就労している」は29.5%だった。現在保育士として働いていない潜在保育士は67.1%となる計算だ。
前問で「就労していない」と答えた2713人に「保育士としての就労意欲」について尋ねた。「今すぐにではないが、いつか、条件等が合えば、保育士として働いてみたい」という回答が48.0%で最多となり、「条件等が合えば、今すぐにでも保育士として働いてみたい」の12.5%と合計すると、60.5%が保育士としての就労意欲がある。「今もこの先も保育士として働きたいとは思わない」という回答は20.3%に留まった。
多数が「希望に合った働き方で働き始められること」重視
では、彼女たちの求める「条件」とはどういったものなのか。保育士としての就労意欲を持つ、非就労の潜在保育士1000人に「保育士として働く上で最も重要だと考えること」について聞くと、「金銭的報酬が高いこと」としたのは35.1%だった。
一方「金銭的報酬が高いこと」以外の項目を最重視すると答えたのは64.9%。最重視している内訳を見ると、「1日あたり短い時間から働ける」、「土日祝日が完全に休みである」といった「勤務時間や勤務日など、希望に合った働き方で働き始められること」を選ぶ人が多く、54.2%に上った。次点は「職場の人間関係が良いこと(36.7%)」。
これらの調査結果から野村総合研究所は
「保育士の就業形態の多様化を進め、働き方の多様な保育士を活用できる保育現場を増やしていくことが、多くの潜在保育士の保育士就労を促し、結果として充実した保育の受け皿確保につながる」
とまとめている。<J-CASTトレンド>