JALが展開する国際線LCC「ZIPAIR」では、追加料金を支払うことで機内食を食べられます。この機内食、実はフルサービスキャリアにも引けを取らない内容とも。どのようなものなのか、実際に食べてみました。
メニューは20種類以上!
JAL(日本航空)やANA(全日空)をはじめとする「フルサービスキャリア」の国際線では、機内食が追加料金なしで提供されます。一方LCC(格安航空会社)では運賃が低価格なぶん、機内食は有料オプションとして提供されるのが一般的です。ただ、この「LCCのオプション機内食」のなかで、決してフルサービスキャリアに引けを取らない内容のものも存在します。
そのひとつが、中長距離国際線をメインに就航するJALグループのLCC「ZIPAIR Tokyo」です。今回ZIPAIR便に搭乗するにあたり、いくつか機内食を頼んでみました。
ZIPAIR機(松 稔生撮影)。
ZIPAIRは2020年に運航を開始。成田空港を拠点に、韓国や台湾、シンガポールやバンコクなどのアジア地域、そしてホノルルやロサンゼルスといったアメリカ路線にも就航しています。
同社では機内食を公式サイトなどで事前予約する方式を取ります。日本発の便では出発の72時間前まで、海外発では96時間前までに予約するのがスタンダードです(一部時間が異なるメニューや路線もあり)。スタンダードメニューは23種類で、そのほか路線限定のメニューもあります。メインの食事の価格は1000円前半から2600円ですが、航空券の種別によっては、一部のメニューのなかから1種類を追加料金不要で食べられるものも存在します。
今回はZIPAIR公式YouTube動画の企画、社員による機内食選挙で、トップ3に入ったメニューを選定。3位の「バターチキンカレー」1200円、2位の「アメリケーヌ&デミグラスソースのふわとろオムライス」1700円、1位の「国産うなぎのふっくら鰻丼」2600円の3種類です。ちなみに1位の「国産うなぎのふっくら鰻丼」は、ZIPAIRの“隠れ名物”として、航空ファンなどを中心に密かに話題を呼んでいるメニューでもあります。
カレー、オムライス、そしてうなぎを実食! 実はコスパいい?
ZIPAIRの機内食はメインディッシュと水のみと、かなり潔い構成です。メニューは白いトレーに載せられて運ばれます。
「バターチキンカレー」を受け取ったときに、他社の機内食との違いを感じたのは、その重量。通常の機内食のメインディッシュと比べると、1.5倍はあろうかというボリュームなのです。蓋を開けるとかなり本格的なスパイスの香りが。辛味やスパイスの効きもしっかり目でありながら、まろやかな味わいが特徴です。
「アメリケーヌ&デミグラスソースのふわとろオムライス」は、トロリとしたオムレツに2種類のソースがかかっているのが特徴です。ライスはチキンライスではなく、白ごはんとなっています。アメリケーヌソースはエビの風味がはっきり感じられるものとなっており、デミグラスソースも安定の味わい。ふたつのソースを両方つけた状態で食べるのも、楽しみ方のひとつともいえるでしょう。
ZIPAIRの機内食「アメリケーヌ&デミグラスソースのふわとろオムライス」(松 稔生撮影)。
そして「国産うなぎのふっくら鰻丼」です。山椒がついているパッケージを開けると、ご飯の上に、光り輝く国産うなぎの蒲焼が2枚ご鎮座されているではないですか。うなぎは香ばしさが強い味付けで、フカフカの食感が特徴的。2600円は機内食としては高価かもしれませんが、地上でも“ご馳走”とされるうなぎ(しかも国産)を機内で食べられる点は、コストパフォーマンスが高いと言えるメニューかもしれません。
ZIPAIRの有料機内食は価格こそ「機内価格」ではありますが、それはあくまで「日本の機内価格」です。物価高や円安の影響を受ける現在、海外で食事をすれば日本より遥かに高額になってしまうことも珍しくありません。また、単純に日本らしい味付けや食事が恋しくなることもあるでしょう。こういったとき、ZIPAIRのオプション機内食メニューは強い味方になりそうです。