砂糖のひとつである粉砂糖は、お菓子の仕上げに振りかけたり、生地に練り込んだりして使いますが、普段からお菓子作りをしていないと、家にないこともありますよね。また、ちょっとしか使わないのに、改めて買うのも躊躇われる…。そんなとき、代用する方法はあるのでしょうか? 今回は粉砂糖の特徴と、用途に合わせた代用方法をご紹介します。
こんにちは♪ キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。
普段の料理ではあまり登場しないけれど、お菓子作りには活躍する材料ってありますよね。そんな材料はちょっと割高だったり、使用頻度が低いのもあって、常備していないことも多いのではないでしょうか。
砂糖は普段の料理でもよく使う調味料ですが、粉砂糖はお菓子作り以外ではあまり使いません。仕上げにちょっと振りかけると、見栄えがガラッと変わり、カフェ風のビジュアルにしてくれる、魔法の粉。使うのはほんの少しなので、そのためだけに常備するのはコスパがよいとは言えませんよね。
わざわざこのために買いに行くのも……と思うときには、代用できる方法を試してみてはどうでしょうか。
粉砂糖ってどんなもの?
粉砂糖は「粉糖」「シュガーパウダー」「アイシングシュガー」とも呼ばれ、細かい粉末になっている砂糖。実は、これはグラニュー糖を細かくしたもの。
感触や見た目は片栗粉に似ています。粒子が細かい分、スッと溶けやすく、ほかの粉類とも混ぜやすい特徴があります。ほかの砂糖だとざらつきを感じるような場合でも、粉砂糖を使うことで口当たりのよい、滑らかな仕上がりとなります。
難点は、細かいので湿気を吸いやすいこと。上白糖などでも固まってしまうことがありますが、粉砂糖はもっと固まりやすい性質があります。開封して使い切れず、固まってしまったら、粉砂糖のよさが半減してしまいますよね。
それを防ぐために、サラサラ状態をキープできるよう、吸湿性の低いコーンスターチを混ぜてあることが多いです。使用目的によってはこのコーンスターチが邪魔になることもあるので、用途に合わせて原材料名をチェックしてくださいね。
特徴
・元々はグラニュー糖でクセのない甘さ
・溶けやすい
・サラサラっとしたパウダー状
・ほかの材料と混ざりやすい
・見た目や食感の仕上がりが変わる
・固まりやすい
粉砂糖の用途は?
甘みをつける
粉砂糖を使う用途としては大きく分けると2種類。ひとつは通常の砂糖として甘みをつけること。そして、もうひとつは粉砂糖の特徴を活かす、粉砂糖ならではの使い方をすること。
粉砂糖は元々グラニュー糖なので、クセのない上品な甘さをつけられます。普通の砂糖と同じような使い方でOK。ただし、飲み物などに甘みをつけるときには、コーンスターチ入りの粉砂糖は溶けにくくなります。
アイシング
粉砂糖に水分を加えてペースト状にし、ケーキをコーティングしたり、クッキーにデコレーションしたりするアイシング。スッと溶ける粉砂糖で作らないと、なかなか滑らかなアイシングにはなりません。
卵白を使って硬さを調整すれば、接着剤のようにも使えます。クッキーやお菓子を使って作るヘクセンハウスも、アイシングを使ってしっかり貼りつけることで、立体的に組み立てることが可能。我が家では食べられるセメントと呼んでいます(笑)。
焼き菓子作り
粉砂糖の溶けやすさは、焼き菓子でも見た目と食感の違いに現れます。
代表的なのがマカロン。粉砂糖の割合が多いこのお菓子は、表面のつるっとしたビジュアルとサクッとした食感が命。ほかの砂糖で作れなくもありませんが、マカロンらしい見た目と食感を作るのに適しているのは粉砂糖です。
クッキーの生地に粉砂糖を使うと、ほろほろっと口どけのよい、軽い食感に仕上がります。スノーボールクッキーが粉砂糖を使うクッキーとして有名です。
滑らかなクリーム
口どけのよい滑らかなクリームやフロスティング(アイシング)を作るのには、粉砂糖が適しています。特に加熱しないで作るクリームは、粉砂糖以外の砂糖を使うと、ざらついた舌触りが残ることも。
まぶす
クッキーやチョコサラミ、クリスマスのシュトーレンなど、粉砂糖を全体にまぶして仕上げるお菓子もあります。白い雪のようなビジュアルがきれいですよね。
見た目以外にも、パウダーをまぶすことでべたつきを抑えたり、保存効果を高めたりする役割もあります。
デコレーション
ケーキやパイなど、粉砂糖を振りかけると、見栄えがUPします。粉砂糖というと、これをイメージする人も多いのではないでしょうか。
ちなみに、フルーツやクリームをデコレーションした後に、最後に粉砂糖を振りかけて完成! きれいに仕上がった~♪ と思ったら、みるみる溶けてしまった経験はありませんか?
細かい粉砂糖はとっても溶けやすいので、フルーツの水分に当たるとあっという間に溶けてしまいます。焼き菓子に振りかけた場合でも、時間が経過すれば消えてしまうことも。
振りかけた粉砂糖が溶けないように加工した、通称「泣かない粉糖(溶けない粉砂糖)」というものがあります。これは砂糖の粒子を油脂でコーティングすることで溶けにくくした粉砂糖。
湿気を吸いにくくなるのでダマにもなりにくく、サラサラしています。ただし、溶けにくいということはくちどけが悪いということ。デコレーション専用となります。
単に振りかけるだけでなく、レースペーパーを置いて模様を浮かび上がらせたりしてもきれいですね。
粉砂糖の代用として使えるものは?
粉砂糖の特徴や使う用途がわかったら、それを踏まえて代用できるものを探してみましょう。目的によって代用できるもの、できないものがあるので、代用品の特徴も知っておくと◎。
2種類の用途に分けて代用方法をご紹介します♪
甘みをつけるために使う場合
甘みをつける調味料としての粉砂糖の役割を代用するなら、代用できるものはたくさんあります。
粉砂糖の元の姿であるグラニュー糖はもちろん、日本で一般的な砂糖である上白糖は、使い方も仕上がりの色も変わらないので、代用しやすいですよね。価格的にも粉砂糖よりも安いので、単に調味料としてなら粉砂糖をあえて使う理由はあまりないかもしれません。
きび砂糖やてんさい糖、黒糖などはミネラルが残った栄養価の高い砂糖。味わいも深みがあっておいしいですが、茶色い色が仕上がりに影響します。
はちみつや水あめ、メープルソースなどの液体の甘味料も、甘味をつける調味料として代用可能ですが、風味や色合いに違いが出ます。水分量も変わるので、使う量は調整が必要です。
粉砂糖らしさを活かした使用方法の場合
やっぱり粉砂糖でないと! というのは、粉砂糖ならではの特徴を活かした使い方がしたい場合です。溶けやすさ、口当たりのよさ、仕上がりのきれいさなどを求めるならば、パウダー状の粉砂糖じゃなければ出せません。
そんなときは、グラニュー糖を使って自分で粉砂糖を作ってしまうのも手です。スティックシュガーなんかもグラニュー糖なので使えます。ミルミキサーやすり鉢があれば、意外と簡単に粉砂糖ができますよ。
すりこぎでぐるぐる擦っていくと、みるみると粉末状になっていきます。グラニュー糖は粒が大きいですが、どんどん小さく細かくなっていくので、その変化を見ているだけでもおもしろいです。
市販の粉砂糖くらい細かい粒子の状態にするのは難しいかもしれませんが、すり鉢でもかなり細かい粉砂糖にすることができますよ♪ ミルミキサーを使えば、もっと簡単で、大量に粉砂糖を作ることも可能です。
手作りの粉砂糖は、ほんの少しだけ必要なときにも便利です。使いたい量をその都度作ると、湿気を吸って固まる心配もなく、粉砂糖の在庫を抱えることもありません。もしまとめて作っておきたい場合は、密閉容器に保管するようにし、コーンスターチを混ぜるなら砂糖の5%程度を加えてみてください。
グラニュー糖は長期保存が可能な、賞味期限の記載をしなくてもいい食品です。粉砂糖も同じく賞味期限のない食品となりますが、手作りの場合は、不純物が混入したり、湿気を吸ったりして変化する可能性も高くなるので、あまり長期間置かないほうが安心。冷蔵庫に保管すると害虫の混入も防げるので、オススメです。
まとめ
粉砂糖はグラニュー糖を細かく粉末状にしたものです。粒子が細かい分、溶けやすく、仕上がりの食感や見た目に違いが出ます。
通常の甘みをつける調味料として考えると、上白糖やグラニュー糖などの砂糖で代用可能です。きび砂糖などのミネラル分が含まれているものや、液体の甘味料なども代用できますが、色や風味に違いが出るので、それを踏まえて、どれを代用品にするかどうか選んでください。
粉砂糖ならではの仕上がりを求める場合は、グラニュー糖を自分で粉末状にして使えばOK。ミルミキサーやすり鉢で簡単に自家製粉砂糖が作れますよ♪
ぜひ一度お試しください。