つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などに加入したことで、証券会社が身近な存在になった人は多いと思います。そんな中、証券会社や日本証券業協会をかたった“偽広告”がSNS上に存在しているとして、金融庁や日本証券業協会が、公式サイトなどで注意を呼び掛けています。
「元本割れしない」など利益ばかりを強調
金融庁によると、偽広告には、実在する証券会社の名称などが使われており、「今後高騰する株式の銘柄情報を入手できる」「投資に関する書籍や資料をプレゼントする」といった内容が記載されているとのことです。これらの情報を入手させる際に、リンク先へのアクセスやLINEアカウントの追加などを求めた上で、投資勧誘を行ったり、金銭の支払いの話を持ちかけたりするケースが確認されています。
金融庁は、少しでも怪しいと思った場合は、絶対に入金を行わずにすぐにやり取りを中断するとともに、「証券会社の公式ホームページに記載されたコールセンターなどに問い合わせる」「証券会社の公式ホームページなどで、注意喚起が行われていないか確認する」といったことを行うよう、求めています。
また、日本証券業協会も、偽広告に関して注意を呼び掛けるとともに、偽広告の事例や偽広告を見分けるポイントなどについて、公式サイトで下記のように解説しています。著名人の写真を無断掲載するケースがあるほか、「寝ている間に利益が出る」「元本割れしない」など、メリットばかりを強調する文言を広告に並べているのが特徴とのことです。
【偽広告などの主な事例】
・SNSで著名人の写真を無断掲載し、証券会社や日本証券業協会の広告を装い、情報商材販売サイトなどへ誘導する。
・SNSで証券会社の公式アカウントを装い、LINEグループへの参加や詐欺サイトへのアクセスを誘導する。
・SNSで証券会社の役職員を装い、特定の銘柄の投資勧誘を行い、振込先を指定して入金を要求する。
・普段取引がない証券会社の役職員を名乗って、LINEやSNSに突然連絡をし、特定の銘柄の投資勧誘や口座開設を要求する。
【悪質な偽アカウント・偽広告などに記載されていた主な文言例】
・寝ている間に利益が出ます!私たちのLINEに入ってください。
・ただクリックするだけで…簡単に月収100万円になる方法 クリックするだけで爆益 元本割れしない投資ができます!
・俳優の〇〇さんの愛読書の投資本です!(しかし、プレゼント主は広告でかたられた証券会社ではなく、全く別の会社)
【偽アカウント・偽広告などの見分け方の主なポイント】
・普段取引のない証券会社やその役職員を名乗る者からの連絡である。
・普段取引のある証券会社を名乗っていても、これまでは用いられたことのない連絡方法や唐突な内容である。
・「元本保証」・「確実に儲ける方法」など、必ず利益が出ることをうたう広告である。
・公式アカウント(正式な会社・組織名)とユーザー名が異なっている。
⇒(例)正式な組織名:日本証券業協会、偽アカウントが名乗った組織名:日本証券協会
SNS上でもうけ話を強調する広告を見つけたときは、うのみにしないように気を付けましょう。
オトナンサー編集部