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チョー昔の「ジェット旅客機」がまさかの現役!→内部に潜入 圧巻の機齢…なぜここまで現役?しかし「見納め」も迫る

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2025年7月にオシュコシュ空港で開催された航空ショー「エア・ヴェンチャー」に1機のDC-8が現れました。

機齢56年!

 1958年に初飛行し、JAL(日本航空)が初めて導入したジェット旅客機としても知られる「ダグラスDC-8」。このモデルはすでにほとんどが引退していますが、2025年7月にオシュコシュ空港で開催された航空ショー「エア・ヴェンチャー」に1機のDC-8が現れました。2025年現在、アメリカで登録されている最後の機体であるDC-8-72「N782SP」で、機齢はなんと56年です。しかも今回、実際に機内に入ることができました。

Large figure1 gallery5 「エア・ヴェンチャー」で展示されたDC-8-72「N782SP」(細谷泰正撮影)。

「N782SP」を保有しているのは、ノースカロライナ州に本拠地を置くキリスト教系支援団体「サマリタンズ・パース」です。大規模災害などが発生したときに支援物資の提供や救援活動への協力を行っている慈善団体は数多くありますが、「サマリタンズ・パース」は、その規模と能力において卓越した存在として知られています。

 この団体は1970年代から活動を行ってきましたが、自身がパイロットでもあった当時の会長が航空機による能力に着目して、発足間もない頃から自前の航空機を運用してきた歴史を持ちます。

 日本では2011年3月に発生した東日本大震災の際、「サマリタンズ・パース」が93トンにもおよぶ支援物資を提供してくれました。この時は横田基地を経由して米軍と連合軍の輸送機を使用して被災地に物資が輸送されましたが、この輸送方式は同団体にとっては異例ともいえる形態でした。

「サマリタンズ・パース」では輸送方法も含めてすべて自前で目的を果たすことをモットーとしています。救援物資や仮設診療施設などを海外の被災地に輸送するための大型輸送機まで所有して運航しているのです。

 この団体では全世界で28機の航空機を所有して一部はアラスカやアフリカに配置。さらに海外への支援に使用される大型機はノースカロライナ州グリーンズボロ空港を基地として運用しており、今までは「N782SP」とボーイング757の3機が運用されてきました。

 しかし2025年、同団体は機材更新と空輸能力強化のためにボーイング767を導入しました。これに伴い、「N782SP」は今年12月に退役する予定です。つまり、これがこの機に迫る最後のチャンスになる可能性が極めて高いのです。

退役迫る「DC-8」機内はどうなってる?

 今回のエア・ヴェンチャーでは、退役を前にDC-8-72「N782SP」が展示され機内や可搬式診療施設が公開されています。

「N782SP」は33.5トン(7万4000ポンド)の貨物輸送能力がありますが、被災地での医療支援を行う場合は医薬品や仮設診療設備、発電機、造水ユニットに加え32人分の座席を備え医師や看護師、支援スタッフも一緒に輸送する能力があります。

 発電機や造水ユニットを搭載するのは、被災地のインフラに依存することができない場合も自前の電力と清潔な水で支援活動を行うためです。被災地のインフラに依存することなく目的を遂行する能力を備えていることがこの団体の特徴です。

 この能力はアフリカでエボラ出血熱が流行したときに威力を発揮しました。2025年3月に発生したミャンマーの地震の際にも派遣され、最初の週だけで1000人、30日間で5500人の治療を行ったとこの機体の乗員は説明してくれました。

 今回のエア・ヴェンチャーにおいて、「N782SP」は一週間の開催期間中の前半3日間のみの参加でしたが、内部見学には毎日長蛇の列ができていました。

 今回筆者は、この機の見学の際に案内してくれた乗員に東日本大震災の時のお礼を申し上げるとともに、今年をもって退役する同機に最後の挨拶ができました。

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