毎日きちんと頭を洗っているのにフケが出てしまい、困ったことはありませんか。特に冬はフケが出やすい時季といわれています。フケを抑えるために見直すべき生活習慣について、美容院「Grace Avenue」(東京都港区)サロンマネジャーで美容師の原木佳祐さんに聞きました。
髪の洗い方や乾かし方に注意
Q.冬にフケが出やすい場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
原木さん「普段から毎日髪を洗っているケースですと、冬に起こるフケで最も多い原因は『乾燥』です。頭皮は髪で覆われているとはいえ、暖房などによって乾燥してしまうことで肌のバリアー機能が低下します。その結果、頭皮をかいたり、強くこすったりすることで頭皮が傷つき、皮膚が剥がれてフケになります。こうした状態を避けるために、洗い方や乾かし方にもコツがあります。
シャンプーをよく泡立ててから頭皮を傷つけないように優しく洗うのがお勧めです。乾かす際もゴシゴシと頭皮をこすったり、高温の熱風を当て続けたりしないように気を付けてくださいね。
また、冬はシャワーの温度が高くなりやすいことにも注意が必要です。皆さんも一度は経験があると思いますが、熱いお湯につかると肌がかゆくなってしまうので、頭を洗い流す際のシャワーの温度にも注意してください」
Q.フケを抑えるのに効果的な対策はありますか。
原木さん「まずは普段使用しているシャンプー剤を確認して、洗い過ぎを防ぐのが最善策です。シャンプーは次の4種類に分けられます」
(1)洗浄力が強い「高級アルコール系」
洗い上がりがサッパリするので頭皮がベタつく人向け。
成分:高級アルコール硫酸エステル塩、スルホン酸塩
(2)洗浄力がマイルドな「アミノ酸系」
洗い上がりが柔らかくしなやかな仕上がり。
成分:ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルグルタミン酸Na、ラウロイルグルタミン酸TEA
(3)皮膚への安全性を重視した「石けん系」
無添加やオーガニック、天然由来の製品が多く、アレルギーやアトピーの人向け。
成分:石けん素地(高級脂肪酸Na)
(4)アミノ酸系よりもさらに洗浄力が弱い「ベタイン系」
頭皮のかゆみや肌荒れがひどい場合などに適していて、赤ちゃん用としても使われている。
成分:コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸Na
洗浄力が強いシャンプーを使っていた場合は、洗浄力の弱いシャンプーを使用してみると良いでしょう。また、シャンプーを変えた際には効果が現れるまで2~3週間程度かかるので、そのくらい使い続けていただくのが理想的です。
Q.どうしてもフケが出てしまう場合、皮膚科を受診した方がよいのでしょうか。
原木さん「シャンプー剤や乾かし方を変えてみても改善が見られない場合は、医療機関を受診していただくのがベストです。ただのフケだと思っていたものが、実はウイルスや細菌による場合があるからです。
そのほかにも、実際に頭皮にイボができ、かゆみでかいてしまった結果、皮膚が剥がれ落ちてフケが出てしまった人もいます。かゆみやフケが長く続くようであれば、皮膚科を受診していただくのが良いと思います」
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冬のフケは主に乾燥が原因ということが分かりました。乾燥を引き起こす原因は暖房やシャンプー剤など身近なところに潜んでいます。フケが気になる人はシャンプー剤や髪の乾かし方など、思い当たるところからケアしてあげると良さそうですね。小さなケアを続けて、健康な頭皮で冬を乗り切りましょう。
オトナンサー編集部