家庭用コーヒーが相次いで値上がり
昨今、コーヒー豆の相場が上がり続けていることをご存じでしょうか。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により世界的に船やコンテナ不足が続いたため、海上運賃が高騰していることが原因と言われています。
さらに2021年、コーヒー豆の主要生産国ブラジルで、干ばつや霜など被害が相次ぎ、コーヒー豆の価格上昇は世界的に避けられない状況のようです。
コーヒー需要は増加傾向
新型コロナ禍で在宅時間が長くなったことで、自宅でコーヒーを楽しむ人は以前に増して増加しました。
東京都内では2020年以降、テイクアウト専門をうたうコーヒーショップが相次いで登場。たとえば2021年7月、JR原宿駅の竹下口改札外にオープンしたのはヨーロッパのカフェブランド「コスタコーヒー」です。
こうした専門店はコーヒー豆を店頭販売しているショップも多く、自宅でのひとときにも花を添えてきました。
しかしその家庭用コーヒーをめぐって、各社が相次いで値上げを発表しました。
UCC上島珈琲は9月1日から、また味の素AGFやキーコーヒーは10月1日から、レギュラーコーヒーの価格を約20%ほど値上げしています。
SNS上では「コーヒーの値上げは痛い」「数少ない自宅での“娯楽”が……」と悲しみの声が相次いでいます。
客層の違い? 各チェーン値段の違い
こうした流れはコーヒーチェーン店内で飲むコーヒーにも波及するのではないか、と想像する人も多いでしょう。
各大手チェーンは今のところ値上げ発表は行っていませんが、おいしいコーヒーをなるべくお得に楽しむために、あらためて各店の値段をチェックしてみましょう。
それぞれターゲットとする客層に微妙な違いがあり、自身の利用の仕方に合った店舗を選ぶのが良さそうです。
●スターバックス
まずはスターバックス。全国に1655店舗、都内だけでも382店舗を展開しています。同社は2019年、主力商品を8年ぶりに10~20円値上げしました。
それにより現在のドリップコーヒーは、トールサイズで363円。購入時のレシートを提示すると、2杯目は165円で楽しめたり、タンブラーを持ち込むと全メニューが20円引きになったりと、独自のサービスを行っています。
●ドトール
全国で1080店舗、都内で361店舗を構えるドトールは、ブレンドコーヒーMサイズが275円ととてもお手頃。コーヒーチェーン店の中でも比較的安価で、毎日のようにコーヒー店を利用するビジネスパーソンなどに重宝されています。
ただドトールは、スタバのような「おかわり」のシステムがなく、2杯目以降も通常価格が発生します。長居するより1杯分だけ休憩したいという人に向いているスタイルです。
長居したい人向け? 1杯500円前後
●タリーズ
続いてはタリーズ。全国に730店舗、都内には220店舗を展開。世界中のコーヒー豆約10種類から、毎日新たなブレンドを「本日のコーヒー」として提供しています。
トールサイズは390円と、スタバよりもさらにやや高め。ですが、同様に「おかわり」システムがあり、レシートを提示すれば154円で2杯目を注文することができます。
また、タンブラーやマグカップを持参すると全メニューが30円引きになるので、長時間作業したいという人にはおすすめと言えそうです。
●コメダ珈琲
提供されるメニューがどれもすごく大きいことなどでたびたび話題に上がるコメダ珈琲は、全国に899店舗、都内には74店舗を擁します。
名古屋市に本社があるため、前述の3チェーンと比べると都内の店舗数は少なめですが、全国店舗数はタリーズを超え、ドトールにも迫る勢いです。
コーヒーチェーン店のなかで、コロナ禍にもかかわらず業績を伸ばし続けているコメダ珈琲。
駅前の一等地より家賃の抑えられる少し離れた場所に店舗を構え、またコロナ以前からゆったりした店内レイアウトを設計していたため、コロナ禍での影響を受けにくかったことなどが要因とされています。
そんなコメダ珈琲のブレンドコーヒーは、店舗によって違いはあるものの430~580円と、タリーズよりもさらにお高め。
コーヒー1杯が500円前後となると、ドトールなどと比べて気軽に立ち寄れない印象がありますが、逆にのんびり過ごしたいとき、テレワークなどでワークスペースを確保したいときには打ってつけと言えそうです。
コメダを1杯300円台で楽しむ方法
また、店舗によって違いはありますが7~9枚つづりの先払い式でドリンクを購入できるコーヒーチケットがお得です。
例として著者がよく利用する店舗では、8枚つづり3000円でコーヒーチケットが販売されているため、1杯あたり375円でブレンドコーヒーやアメリカン、紅茶などを楽しむことができます。
あらためて比べてみると、主なターゲットとする客層の違いなどが各チェーンの価格設定に現れていることが分かります。
また近年はチェーン以外にも、こだわりの詰まった個人経営のお店や、コンビニの店頭で買えるコーヒーなど選択肢は格段に増えました。
お気に入りの1杯がこれからもお得な値段で楽しめることを願うばかりです。